川崎市宮前区の宮前市民館大会議室で、1月23日に区内の伝統行事とそれに関わる地域の人を題材にしたドキュメンタリー映画「うつし世の静寂(しじま)に」の上映会と映画製作者小倉美惠子さんの講演会「地域の中で絆を考える」が開かれ、参加者を募集している。
この催しは、都市化して人と人の関係が希薄化する宮前区でいまも昔から同区に住む人たちの間で続けられている「講」を切り口に、地域コミュニティとは何か、顔の見える関係、人と自然の関わりなどについて学ぼうと企画された。
講師の小倉さんは区内にある「ささらプロダクション」の代表で、同区土橋の生まれで、実家の土蔵で見つけたお札をきっかけに2008年に関東一円にほりがるオオカミ信仰に迫ったドキュメンタリー映画「オオカミの護符」を製作した。
今回上映する「うつし世の静寂には」はそれに続く作品で2010年に製作した。明治政府による神社合祀で失われた鎮守の森で約100年ぶりに復活した「初山獅子舞」や区内に今も伝わる「念仏講」「巡り地蔵」などの伝統行事に携わる人たち姿を映し出し、風土と人のつながりを証言でつづった96分の作品。法政大学の田中裕子総長、元国立歴史民俗博物館館長の平川南産、哲学者の内山節さんの対談も収録されている。
公演の内容をより深めるために、10時30分から映画を上映、13時30分から講演する。
参加は無料で、定員は150人。
問い合わせは電話044-888-3911 宮前市民館。