全国高校サッカー選手権大会3回戦:桐光学園がPK戦でまさかの敗退、エース小川の2ゴールもアディショナルタイムに追いつかれる

_J6A0927第94回全国高校サッカー選手権大会の3回戦が1月3日に行われ、神奈川県代表の桐光学園(川崎市麻生区)はニッパツ三沢球技場で青森県代表の青森山田と対戦した。桐光はエースFW小川航基#9が2ゴールを挙げて先制したが、アディショナルタイムに同点に追いつかれ、PK戦の結果4対5でまさかの敗退、涙を飲んだ。

写真=2ゴールを挙げたFW小川航基#9

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同点に追い付き喜ぶ青森山田の選手たち

試合は両校の一進一退の攻防が続いたが、次第に桐光がペースをつかみ、32分にU-18日本代表で主将のFW小川がMF鳥海芳樹#10からのパスを右足で決めて先制点を奪った。後半開始早々の43分にもFWイサカ ゼイン#7からのクロスにFW小川が頭で合わせて2点目をゲット。59分にはFW小川が相手ゴールキーパーに倒されてPKを得てハットトリックのチャンスとなったが、惜しくも失敗。その後も、桐光は多彩な攻撃を展開するとともに、青森山田の必死の攻撃をしのぎ、そのまま試合終了かと思われた。
しかし、ここから青森山田が驚異的な粘りを見せ、アディショナルタイムの80+2分にコーナーキックから途中出場のFW成田拳斗#18がヘディングシュートを決めて1点差に迫ると、さらに80+5分にもロングスローからやはり交代出場のMF吉田開#16が同点ゴールを決め、勝負はどたん場でPK戦にもつれ込んだ。
PK戦は4人目までは両チームとも全員成功したが、先攻の桐光5人目のFW小川が青森山田のGK廣末陸#12に止められ、青森山田が全員成功して5対4で勝利を収め、桐光はベスト8への道を断たれた。
スタンドで見守る桐光の生徒や応援にかけつけた川崎の市民たちは、勝利を目前にしてのまさかの逆転劇にぼう然としながらも、選手たちに励ましの拍手を送っていた。
試合後、桐光の鈴木勝大監督は「“ハンドボールの文化も必要だ”ということを改めて知った」と悔しさをジョークに変えて語った後、「選手は良くやってくれた。PK戦で負けたが、応援に来てくれた生徒や地域の人たちと一緒に戦うことができて幸せだった。2年生の選手には良い経験になった。来年は新しいチームでチャレンジしたい」とリベンジを誓っていた。
小川主将は「気持ちの部分が未熟だった。(磐田に入団後は)スタメンで活躍して日本一のストライカーになる」と悔しさをかみしめながら別の舞台でのリベンジを誓った。2点目をお膳立てしたイサカ ゼインは「いまは悔しくて何も考えられない。ただ、小川と3年間一緒に闘ってきたが、自分はいつも2番目という位置でいて頼り過ぎていた部分があった。最後までリードしきれる自信を持っていたつもりだったが、気がつかない部分でメンタルの弱さがあったのかもしれない」と仲間をかばった。