FC町田ゼルビアは12月6日、大分銀行ドームで大分トリニータとのJ2・J3入れ替え戦第2戦に臨み、後半58分にFW鈴木孝司#9がPKを決め1対0で大分トリニータを下し、通算2勝0敗で4年ぶりにJ2復帰を果たした。
写真=昇格を決めて喜ぶ選手たち(FC町田ゼルビア提供)
J3の2位となった町田は11月29日にホームの町田市立陸上競技場でJ2の21位の大分と対戦。2対1で大分に逆転勝ちし、昇格に王手をかけていた。
町田市役所10階会議室では11時30分からパグリックビューイングが行われ、熱心なサポーターや家族連れなど約150人が会場を埋めた。29日の試合で8629人と同競技場でチーム史上最多の入場者を記録したことから、市民の関心の高さにこたえようと、急きょパブリックビューイングの開催を決めた。
なかには6時30分から並んだという人もあり、試合開始前から会場は熱気に包まれた。石阪丈一市長も姿を見せ、市民とともにテレビの中継を見守った(写真右)。
12時30分に試合が始まると、入場者はくい入るように画面を見つめた。前半に大分に与えたPKをGK髙原寿康#21がセーブすると会場では大歓声が上がった。後半58分、FW鈴木がPKを決めて待望の先制点を挙げると、再び大きな歓声に包まれ、抱き合って喜ぶ姿も見られた。アディショナルタイムでは全員が息を殺して画面を見つめ、試合終了のホイッスルが鳴ると、緊張の糸が切れたように満面の笑顔を浮かべる人であふれた。
石坂市長は「昇格おめでとう。今シーズンの戦いぶりならば、J2でも絶対戦えると思っていました。来シーズンはJ2の中核となることを期待しています。そのためにも、町田市は観客動員を増やすようにがんばりたい」と喜びにほほをゆるめながら話していた。
FC町田ゼルビアは、1989年にFC町田として発足、東京都社会人リーグに所属した。97年に現在の名称に変更、2009年にJFL(日本フットボールリーグ)に所属、2011年にJリーグに入会、翌年J2に昇格したが、最下位となってJFLに降格した。昨シーズンは、新たに発足したJ3に所属、2010年以来4年ぶりに相馬直樹監督が指揮を執り、3位に食い込んだ。今シーズンは、リーグ最少失点の安定した守備を武器に常に優勝争いを続けたが、11月23日の最終戦でAC長野パルセイロと引き分けたため、勝ち点で並んでいた1位のレノファ山口に得失点差で及ばず、2位となり、J2・J3入れ替え戦に回ったが、大分を下してJ2昇格を決めた。