J2・J3の入れ替え戦第1試合が11月29日に町田市野津田の町田市立陸上競技場で行われ、FC町田ゼルビアと大分トリニータが対戦した。町田は22分にアウェイゴールを許して先制されたが、前半のうちに追いつき、72分にエースのFW鈴木孝司(#9)がこの日2点目となるゴールをあげて逆転勝利し、J2昇格に向け一歩前進した。
写真(撮影 : 山本真人、安永能美)=72分、逆転ゴールを決めサポーターを喜ぶFW鈴木孝司
町田は11月23日の最終節に引き分けたため、首位のレノファ山口とは勝ち点が同じだったが得失点差で2位となり入れ替え戦に臨んだ。一方の大分は、2013年にJ1に復帰したが1年で降格、今シーズンは波に乗れず成績が低迷し、5年間指揮を執った田坂和昭監督を6月に解任し柳田伸明強化部長が監督に就任したが、立て直しを図れず最終節前に21位が決まり、入れ替え戦出場となった。
来季のカテゴリーが決まる大勝負とあって競技場は両チームのサポーターだけでなく多くの観客が来場、過去最高の8,629人が観戦した。
町田は、最終節と同じメンバーがスタメン。試合は、立ち上がりから平常心で攻勢に出た町田が押し込みFW戸島章(#23)のヘディングがポストにあたるなど何度かチャンスを作ったが(写真右上)、ゴールを揺らすことはできなかった。
その後、大分は次第に落ち着きを取り戻し、DFダニエル(#35)らの体を張った守備で拮抗した流れとなった。22分に直接フリーキックのチャンスを得た大分がMF松本昌也(#14)のあげたセンタリングにダニエルが合わせて先制ゴールを奪った(写真左中)。
町田はその後もチャンスを作り、前半のアディショナルタイムの45+2分に孝司が左足のボレーシュートでゴールを決め同点で前半を終了した(写真右下)。
町田は、前半と同様に攻勢に出てチャンスを作るがラストの制度がいまひとつで追加点を奪えない時間が続いた。しかし72分、孝司がドリブル突破でMF森村昂太(#29)にパスを出し森村からの折り返しパスを自身右足でゴールに押し込み逆転した。
町田は、3点目を狙い75分に森村に替えMF松下純土(#20)を送り出した。大分は76分にDF若狭大志(#5)がこの日2枚目のカードで退場、さらに88分にDF鈴木義宣(#15)がペナルティエリアに侵入しようとした孝司を倒し、得点機会阻止で一発退場となり9人になった。
数的優位に立つ町田は、90+1分にMF重松健太郎(#39)に替えFW中村祐也(#11)を送ったが、得点は得られなかった。
試合後の会見で相馬直樹監督は「大分のサポーターも含め本当にたくさんの方にお越しいただき、この試合で色んなことが決まるという雰囲気を作っていただき、特に我々を応援してくださった方々に本当に感謝申し上げたいと思います。
我々としては2試合を180分と捉えた中で、1戦目はホームということで勝ちたいのも当然なんですが、アウェイゴールを与えたくないというのがありました。カウンターを受けて、ファールを与え失点してしまいました。このアウェイゴールが最終的に重要なものになってくると思いますが、前半終了間際のゴールは我々に勇気を与えてくれその流れを後半も持って入ることができました。終盤相手に2人の退場者が出て、追加点を狙いたかったんですが、取れなかったと点などを踏まえ、後半の90分間をチャレンジャーとして、勇気を持って壁を乗り越えていけるよう1週間を準備たい」と振り返った。
第2戦は12月6日12時30分から大分市の大分銀行ドームで行われる。