明治安田生命J1第2ステージの第17節の9試合が11月22日に各地で行われた。
川崎フロンターレは川崎市中原区の等々力陸上競技場でベガルタ仙台と対戦、前人未踏の3年連続得点王に大手をかけるFW大久保嘉人(#13)のゴールで1対0で勝ち最終戦を勝利で飾った。川崎Fの年間成績は17勝6分け11敗勝ち点57、順位は昨年と同じ6位でシーズンを終了した。
大久保は年間23ゴールで得点王となり大記録を達成した。
写真(撮影 : 山本真人、安永能美)=80分に得点王を確実にするゴールを決めサポーターにかけ寄るFW大久保嘉人(#13)
川崎Fの前節までの成績は、勝ち点54で年間順位は6位。シーズン当初の目標だったチャンピオンシップへの出場は果たせず、天皇杯も4回戦で敗退しているためこの試合が最後の公式戦となり負けられない一戦だ。一方の仙台の前節までの成績は、勝ち点35の年間順位14位でJ1残留は決めており、天皇杯は4回戦に勝利しベスト8位入りしている。今シーズンの両チームのリーグ戦、ナビスコカップの対戦結果は川崎Fの1勝1分け。
連休中日で競技場には仙台のサポーターも大勢応援にかけつけ、22,511人が観戦した。
川崎FはMF中村憲剛(#14)をトップ下、ルーキーの中野嘉大(#22)をFW、MF大島僚太(#16)と組むボランチはMF森谷賢太郎(#19)を起用した。
川崎Fは前半、得点王のかかる大久保にボールを集めようとするが、仙台の堅い守りに阻まれペナルティエリアになかなか入れない状態が続き、9分にようやく大久保がシュートを放つがGKの正面。その後、カウンターから仙台に押し込まれる場面もあったが守備陣がしのぎ、シュート数川崎3本、仙台2本と互いに決め手を欠く攻撃で前半を0対0で折り返した。
川崎はハーフタイムにDF小宮山尊信(#8)を下げMF田坂祐介(#35)を投入、中野のポジションを変更して攻撃の活性化を図った。しかし、チャンスにもラストパスがなかなか繋がらずペナルティエリア付近にいる大久保はオーバーヘッドなど試みるがシュートが枠に入らず時間が進んだ。
均衡が破れたのは80分、田坂の出したボールをMFエウシーニョ(#18)が大久保にパス、これを大久保が落ち着いてミドルシュートで枠に押し込み決勝点を奪った(写真左中)。川崎Fはその後も仙台ゴールを脅かしたが追加点は取れず完封で勝利した。
川崎Fの年間最終成績は17勝6分け11敗勝ち点57で、順位は昨年と同じ6位でシーズンを終了した。
試合後の会見で風間八宏監督は「良かった点は、我々がここまでできるという試合を選手たちがやってくれたことについて自分たちの中でも驚きがかなりあり、その点は良かったと思います。ですけど、1年間通してトレーニングできる、あるいは1年間を通してゲームができる選手が非常に少なかった。ここは我々の選手が、今後どんどんどんどん変化していく中で休んでしまうとかなりレベルが変わってしまうのでその辺は課題」と1年間を総括した。
試合終了後は、3年連続得点王に輝いた大久保が「得点王が取れました。応援ありがとうございます。これからももっともっとがんばります」とあいさつした。
その後バックスタンド前でシーズン終了セレモニーを開催、藁科義弘社長が「シーズン初めにことしこそタイトルを取るとお約束しましたが、残念ながらその夢を果たせすことができず申し訳ありません。しかし選手は本当に良くやってくれました。けが人が続出し、ここぞと言う試合に勝ちきれずまた連敗を何度か繰り返し目標を達成できませんでした。しかしそういう時もファン・サポーターの皆様が熱い応援をしてくれ、どれだけ選手を勇気づけたこ
とでしょう。本当にありがとうございました」と謝罪と感謝の言葉を述べた(写真右下)。
また、試合前には福田紀彦川崎市長が「シーズンを通して熱い応援ありがとうございました。悲願のタイトルこそちょっと残念な結果でしたが、来年はフロンターレ創立20周年でその時の楽しみにしたいと思います。後援会は過去最高の28,000人を超えました。最後にお願いですが20周年のためのビッグフラッグ製作の募金を行っていますので、ご協力をよろしく」と挨拶した。