明治安田生命J3リーグ第32節の6試合が11月16日に各地で行われた。FC町田ゼルビアは町田市野津田の町田市立陸上競技場で福島ユナイテッドFCと対戦、2対0で勝利した。2位の長野パルセイロが勝利したため町田の3位と勝ち点差1は変わらないが、最終節まで入れ替え戦出場の可能性に望みをつないだ。
写真(撮影 : すべて山本真人)=17分、FW鈴木孝司(#9)先制ゴールに喜ぶ町田イレブン
この試合が町田のホーム最終戦とあって、競技場には開幕戦に次いで2番目に多い4,472人が観戦、町田側のサポーター席からは「J2に連れて行って」などさまざまな思いを込めた応援メーッセジが掲げられた。試合前には来シーズンのユニフォーム発表などのイベントなどが催された。
町田と福島のこれまでの対戦成績は、2勝2負。初対戦だった昨年の開幕戦で悔しい負けを喫しており、アウェイで勝利して互角の結果となっているが、ホームでは未勝利のままで、他力本願とは言え入れ替え戦に出場するためには絶対に負けられない。
町田GK高原寿康(#21)がケガのため、修行智仁(#1)が9試合ぶりに先発し新卒の島崎恭平(#22)がベンチ入りした。
試合は序盤から町田が攻勢をかけてリズムをつかみ、17分にDFペ デウォン(#24)のクロスを頭で合わせたFW鈴木孝司(#9)が2試合連続となる先制ゴールを決めた。町田は、その後もボールを支配して何度もチャンスを作るが、追加点を奪えず前半を1対0で折り返した。
後半、攻勢をかける町田対策で福島が体を張った守備に替えたため、町田は追加点がなかなか生まれなかった。そんな中の61分、ゴール前の攻防で町田の修行が頭を地面に強く打ち試合がしばらく中断。修行は頭を固定する担架で運び出され、代わりに島崎がリーグ戦初出場となった。
このアクシデントで、町田は新人キーパーの負担を軽くしようと結束がより強まり、攻撃のリズムが再び入り激しい攻防が繰り返されたが、73分に福島DF杉野健斗(#25)がこの日2枚目のカードをもらい退場となった。町田は、数的有利な状況で福島の守備を崩してゴールに迫り、86分にMF大竹隆人(#13)のパスを受けたDF星野悟(#25)が追加点を決めた。その後も町田は攻撃の手を緩めず、アディショナルタイムには鈴木孝司がポストに充てる惜しいシュートを放ち、完封で福島を下した。
試合後には、ホーム最終戦セレモニーが行われ、李漢宰キャプテンは「今日の試合で全てが終わったわけではないですが、良い時も苦しい時も常に支えてくださった皆さんに感謝したい。アウェイでもう1試合、入れ替え戦でホームでう1試合あります。本当に最後まで僕たちを支えてくれて、ありがとうございます。必ずここに戻ってきます」と感謝を込めて力強く語った。
続いて相馬直樹監督が「ホーム最終戦にご来場頂き、皆さんの声と想いが今日の勝利に導いてくれたと思います。本当にありがとうございました。そして1年間、良い時も悪い時も、苦しい時も一緒に戦って頂きました。これが最後ではありません。ハンジェの言葉の通り、ここに帰ってきたいと思います。皆さんと一緒にこの後に続く昇格への道を開いていきたい」と入れ替え戦に望みをかける挨拶をした。
最後に下川浩之社長は「J3リーグ1年目で、4年ぶりに相馬直樹監督を迎えました。ことしのチームは、基礎を作る年ということで1年間一生懸命やり、ホーム最終節を迎えました。大事な試合を落としたりしましたが、ここ2試合は良い試合ができた。選手たちもことし成長してくれたと思いますが、先ほど相馬監督、李選手が言っていましたが、これからが本番だと思っています。ぜひ、最終戦で藤枝まで行って私たちを応援してください。必ず、また野津田に帰ってこれるように戦っていきます」と野津田での再開を希望する言葉で締めくくった。
最終戦は11月23日13時から藤枝総合運動公園で、藤枝MYFCと対戦する。