昔ながらのふるさとの味を楽しんでもらおうと川崎市麻生区の麻生区役所広場で1月7日、「第11回あさお古風七草粥(がゆ)の会」(麻生区文化協会主催、麻生区役所共催)が催され、訪れた家族連れやお年寄りなど約1000人が、区内で採れた米と春の七草で作った地産地消のかゆに舌鼓を打っていた。
写真=広場で七草かゆを味わう市民
風も穏やかで温かな日差しにも恵まれたためか、会場には11時の開始前から次々と人が訪れ長い列ができた。主催者側では混乱を防ぐため整理券を事前に配布した。かゆのわんを受け取った人たちは広場にセットされたテーブルなどに座って、白い湯気の立つ七草がゆをすすっていた。
文化協会の会員などが大きな鍋2つで、同会会員らが5日に同区黒川で摘んだナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホチケノザ、セリと、同区片平の中山茂さんが栽培したダイコン(スズシロ)、カブ(スズナ)の7種を同区黒川の吉澤伊三夫さんが作った米40kgで炊き込んでかゆを作り、早野聖地公園のボランティアが作った炭で焼いたもちを入れてふるまった(写真左)。
かゆは無料だが、東日本大震災の被災地の子どもたちを支援する募金を行い53,211円が集まった。
会場では、片平のお囃子(はやし)、腹話術、麻生童謡をうたう会のお正月の歌、書道家笠原秋水さんがことしの干支(えと)の午(うま)にちなんだ言葉「無事之名馬」から「無事」の2文字と、教え子の野口快人君が「笑う」と書く席書を披露された。また、けん玉や羽根付きなど昔の遊びも用意され、家族連れなどがなごやかに昔ながらのお正月の気分を楽しんでいた。
同区細山から参加した田端由伽さんとこころちゃん母娘は「娘がまだ離乳食だった5年前に初めて参加してから、毎年、年中行事のひとつとして参加しています。いまでは、おかゆだけでなく娘が羽根つきなどお正月の遊びを楽しみにしています」と笑顔で話していた。