JFL第30節が10月26日と27日に行われ、FC町田ゼルビアは第1日程の26日に町田市陸上競技場でカマタマーレ讃岐と対戦した。町田は後半開始直後に讃岐の先制を許したが、後半からピッチに入ったFW鈴木孝司(#9)が2得点を上げて2対1と逆転勝利、勝点を54に伸ばして3位に浮上、J2昇格条件の年間2位以内へ望みをつないだ。
写真=76分、逆転となったFC町田ゼルビアFW鈴木孝司のPK(撮影 : 山本真人)
JFLの残り試合は今節を含め5試合。1年でJ2復帰を目指す町田はひとつも落とせない状態が続く。一方、讃岐は勝点62で2位だが、自動昇格の1位になるためにも負けられない。
町田は、直接対決となるこの試合を満員の競技場で迎えようとさまざまなPR活動を行っていたが、台風27号などの影響で客足はやや伸び悩み、2,453人の観戦となった。
雨が少し残るなかで始まった試合は、前節首位長野パルセイロに大敗した町田がシステムを3バックに変更して臨んだ。前半は互いに直接フリーキックなどチャンスを作ったものの、ラストパスやフィニッシュの精度がいまひとつで0対0で折り返した。
町田は、スタメンFWテレ(#40)が27分に警告を受けたためハーフタイムで鈴木と交代。立ち上がり直後の47分に讃岐MF高橋泰(#23)がゴール前約20mのフリーキックを直接決めて先制を許した(写真左、撮影 : 山本真人)。負けられない町田は、60分にトップ下のMFアンデルソン(#11)に替えMF日高慶太(#35)を投入、62分にペナルティエリア前でボールを受けた鈴木がドリブルで相手をかわして豪快なシュートでゴールを割り同点にした(写真右)。その後は讃岐の反撃が続き、審判の判定を巡って猪瀬直樹監督代行が抗議、72分に退席処分となったが、76分に鈴木がペナルティエリアで倒されPKを獲得、これを自身で決めて逆転した。その後も互いに一進一退の攻防が続いたが、得点に至らず試合終了となった。
試合後の会見で讃岐の北野誠監督は「後半、フリーキックで得点しうちのプラン通りのゲームかと思ったが、チーム力で戦う長野、相模原とは違う町田の個の力に負けた。アウェーが続くが、最終節のホームでいい形を迎えたい」と悔しさをにじませながら昇格への気持ちを述べた。一方、町田の中三川哲治コーチは「負けられない状態が続いているが、選手はプレッシャーに負けず良いパフォーマンスをしてくれた。3バックにして中盤と守備がチームとしてやるべきことがはっきりしてうまくいった」と話し、退席する代行監督からは「特別指示は無く、後は任せたがといわれただけ」とほっとした表情だった。
町田の次のホームゲームは11月10日14時からツエーゲン金沢と対戦する。
写真=同点に喜ぶ町田イレブン(左)、逆転に沸く客席(右)