狛江市長選挙:高橋氏が財政立て直し訴え初当選、田辺氏善戦も矢野市政継承ならず

110724komaesenkyo狛江市長選挙と市議会議員補欠選挙は6月24日投票が行われ、即日開票の結果、元・東京都職員の高橋都彦氏(60)=たかはし・くにひこ・無所属新・自民・公明・民主・生活者ネット推薦が、前・狛江市議会議員の田辺良彦氏(47)=無所属新・共産推薦に2800票余りの差を付けて初当選を果たした。

写真=当選の知らせに万歳する高橋都彦氏(右)。左は市議補選で当選した山田拓史氏


共産党員市長として4期16年にわたって続けてきた矢野裕氏が告示1カ月前の5月17日、任期満了に伴って今季限りで引退、後継として田辺氏を推すことを表明した。高橋氏はその16日に出馬を表明、2人による一騎打ちの構図が、選挙直前になってようやく固まった。
17日に告示された選挙は、矢野市政の継承か脱却かを争点に、矢野市政による「空白の16年」を取り戻すため、財政の立て直しが急務であるとする高橋氏に対し、田辺氏は、矢野市政を引き継ぎ、発展させるため、防災対策や福祉の充実、脱原発などを訴えた。
選挙戦は、5連敗するわけにはいかないと危機感を募らせる保守陣営を中心に、4党が組織力を生かした支援体制をとる高橋陣営に対し、田辺陣営は、4月に転居するまで狛江と縁の薄かった高橋氏を「落下傘候補」「天下り」と批判、矢野市長が選挙カーに同乗するなど支持の拡大に努めた。
開票結果を見ると、3つどもえとなった前回2008年の市長選挙の保守系2候補の合計得票数と高橋氏の得票はほぼ同数、また田辺氏は矢野市長の得票数をわずかながら上回った。この結果について、高橋陣営から「もっと大差がつくはずで、知名度不足が原因では」という声のほか、「矢野市政を支持する層も多く、手放しでは喜べない」と田辺氏の善戦を指摘する声も聞かれた。
投票率は48.42%で、前回(2008年)を0.09ポイント下回った。