4月28日に「かわさき宙と緑の科学館」開館:青少年科学館をリニューアル、世界一の星空がおめみえ

120424kagakukan02川崎市多摩区枡形の生田緑地の市立青少年科学館が、「かわさき宙(そら)と緑の科学館」(山田友之館長)としてリニューアルされ、4月28日にオープンする。新しい館は、宇宙と川崎の自然をテーマに、世界一の星空を投影するプラネタリウムや天体望遠鏡で宇宙についての知識を深めることができるほか、多摩川、多摩丘陵、市街地などの生き物や植物、地質、気象などに関する展示を通して川崎の自然を学ぶことができる。


120424kagakukan03前身の青少年科学館は1969年に「仮称・こども科学館」として建設が計画され、1971年にプラネタリウム館が開館、1982年に青少年科学館として本館が開館した。以来、自然科学の研究・学習・展示施設として数多くの市民に親しまれてきたが、施設のリニューアルが2008年に計画され、2010年から改築工事が進められ、ことし3月に完成した。新しい館の開館に伴って通称や愛称を公募、館の名称を「かわさき宙と緑の科学館」、愛称を「サイエンスプリン」と決めた。
3854平方mの敷地に建てられた施設は、新築された3階建ての自然学習棟(のべ床面積2145平方m)と、従来の青少年科学館の建物を改装した2階建ての研究管理棟(同929平方m)に分かれる。
自然学習棟は、1階に展示室、学習室、実験室、カフェテリア、2階にプラネタリウム、番組制作室、自然観察テラス、ホール、学習室、実験準備室、3階にアストロテラスがある。
研究管理棟には、1階に標本製作室、展示製作室、収蔵室、事務室、2階に調査研究室、天体観測室、図書資料室、閲覧室、ミーティングルームなどがある。
120424kagakukan01地球環境に配慮して太陽光発電パネルを設置したほか、LED照明や省電力蛍光灯の採用、カフェテリア前や自然観察テラスに再生木材デッキを使用するなどの対策を行っている。
見どころは、川崎市多摩区出身の大平貴之さんが同館のために新たに開発した新世代プラネタリウム「MEGASUTAR-III FUSION」(写真右下)。直径18mのドームに1500万個もの恒星や、170以上の星雲星団が投影できるのに加え、光学式とデジタル式の技術を併用して多彩な映像表現ができるのが特色。星の明るさの差や色をリアルに再現し、星空を取り囲む人の営みや風景も再現できるシミュレーターとして、宇宙旅行や世界のさまざまな土地での星空を体験できる。
120424kagakukan043階のアストロテラスは屋根が開閉式になっており、太陽専用の4連望遠鏡、30cm反射望遠鏡、20cm屈折望遠鏡2台を設置、月、太陽、惑星、恒星などの天体を観測できる(写真左下)
展示室では、多摩川、二ヶ領用水、市内の公園、生田緑地などの生物や化石、気象などを実物や展示パネルなどを通して学べるようになっている。自然観察テラスでは生田緑地の四季折々の姿や野鳥などを観察できるようになっている(写真左上)
今後は「開かれた博物館」「体験する博物館」「育む博物館」「つなげる博物館」の4つの基本方針に沿って、川崎の自然や天文についての資料や情報の提供、生田緑地利用者の憩いの場や市民活動の拠点の提供、自然や天文、」科学の体験を通した科学への興味の醸成、小中学校などと連携して学校教育の支援、次世代の育成、市民団体や市民、企業との連携などをめざすとしている。
開館を前に24日に内覧会が行われ、プラネタリウムの投影のほか、開発者の大平さんと前館長の若宮崇令さんが対談、科学館との関わりや開発の苦労話などが行われた。
開館時間は9時30分〜17時で、月曜日と祝日の翌日(土・日曜の場合は開館)、年末年始休館。入館は無料だが、プラネタリウムの観覧は一般400円、大学・高校生・65歳以上200円、中学生以下無料。
プラネタリウムの投影は土・日・祝日と春夏冬休み中が10時30分、12時、13時30分、15時の4回。火曜から金曜の平日は15時の1回。
オープン記念として5月末日まで土・日・祝日は16時15分から、平日は11時から追加の特別投影が行われる。
問い合わせは電話044-922-4731同館。