FC東京が天皇杯初優勝:元日決戦、史上初のJ2対決で京都下す

Tennohai 007第91回天皇杯サッカー決勝戦が1月1日、国立競技場(東京都新宿区)で開かれ、FC東京が京都サンガFCを4対2で下し、史上初のJ2対決を制して初優勝した。試合は、京都が先制したものの、J2で優勝している東京がすぐに追いついて逆転、J1昇格に加え新年早々のビッグタイトル獲得という二重の喜びをスタンドのサポーターとともに祝っていた。

写真(試合の撮影 : すべて山本真人)=天皇杯を手に喜ぶFC東京の選手たち

Tennohai 001試合は、両チームとも立ち上がりからアグレッシブで、攻守の切り替えが早い展開で進み、13分に京都MF中山博貴(#15)が先制ゴールを決めた。東京はその2分後にコーナーキックのチャンスからDF今野泰幸(#6)がヘディングでゴール(写真左上)、試合を振り出しに戻した。その後もボールを奪い合う激しいプレーが続いたが、36分に京都のファウルで得た直接フリーキックを東京DF森重真人(#3)が決めて逆転(写真右中)、42分にはFWルーカス(#49)が追加点を決め(写真左中)て3対1で前半を折り返した。
Tennohai 002後半は東京のリズムでサイドを広く使う展開となり、66分にルーカスがこの日2点目のゴールを奪い(写真右下)、3点差に広げた。
Tennohai 004京都は、早めに選手交代のカードを切り、FWドゥトラ(#9)と交代した高校生FW久保裕也(#31)が、71分にコーナーキックのチャンスからゴールを決めて意地を見せたものの、反撃もここまで。立ち上がりから激しい攻防を続けた両チームとも終盤には足が止まるシーンもあったが、東京が危ない場面を落ち着いて対処して勝利した。
Tennohai 005今季限りで退任し、来シーズンからフロント入りが決まっている大熊清監督は試合後の会見で、「(J2降格という)どん底を経験して、選手に謙虚さ、ひたむきさがよみがえり、今回の優勝に結びついた。今シーズンの目標の『強くなってJ1に戻る』というのが、証明できたと思い、選手に感謝しています。来シーズンのリーグでの活躍を心から願っていますし、天皇杯の2連覇をめざしてほしい」と語り、「自分自身の夢でもあったACL出場が決まったことが感無量で、本当に感謝しています」と喜びをにじませていた。

Tennohai 006チームは、18時30分からホームグラウンド隣のアミノバイタルフィールドで「天皇杯優勝・ACL出場報告会」を開催した。グラウンドには試合後、急に決まったにもかかわらず、寒い夜に国立競技場の応援帰りなど祝福に訪れた5,255人のサポーターで埋まった。スタンドから大熊清監督や今野キャプテンらが笑顔で勝利を報告、天皇杯などの優勝カップを手にグラウンドを一周、サポーターとともに喜び合っていた。

写真=(左下)高円宮妃殿下から天皇杯を受け取る今野主将、(左から)大熊監督を胴上げ、アミノバイタルフィールドで開かれた報告会で挨拶する大熊監督(以下撮影 水谷建夫)、スタンドに並んだ選手・スタッフたち、詰めかけたサポーター

 

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