来季J2昇格をめざすFC町田ゼルビアFCが、11月1日に東京都文京区にあるJリーグ事務局で、Jリーグ入り入会のため大東和美チェアマンから経営状態などついてヒアリングを受けた。JFL3年目の同クラブが、Jリーグからヒアリングを受けるのは初めてで、加盟に向けて一歩前進した。
写真=大東チェアマン(左中央)からヒアリングを受ける下川浩之町田ゼルビア社長と石阪丈一町田市長
このヒアリングは入会審査の手続きの一つ。ヒアリングには、ゼルビアの下川浩之社長と石阪丈一町田市長が出席、Jリーグ側は大東チェアマンのほか専務理事らが同席した。
下川社長らは終了後に記者会見し「スポンサー、入場者を増してさらなる経営の安定化を測るようと指摘されたが、それよりまず加盟基準の成績(4位以内。この日の時点でゼルビアは6位)となるように言われた」と話した。
昨年「Jリーグの基準を満たしていない」と涙を飲んで加盟入りを見送った施設面については、石阪市長が「改修工事(昨年度の改修に続き今年度シーズンオフからJ2基準を満たす改修を行う予定)の件ではJリーグと頻繁に打ち合わせており、行政として努力しているを認められて大きな指摘はなかった」と話した。ただ、J2基準の競技場が完成するのは2013年2月ごろのため、来年昇格した場合はメインスタンド近くに、審判の控え室、記者室、医務室などに使用する4階建て仮設「メディアセンター」を2012年の開幕までにつくることを明らかにした上、「開幕までにメディアセンターを間に合わせるようにと言われたが、競技場の本体工事については話題にのぼらなかった」と説明した。
下川社長は「2010年9月に競技場問題でダメだしをされ、経営問題などの予備審査に入れなかった。今回は行政のお力で競技場の改修予算も付いてリーグが受け入れてくれ、大きく前進したと手応えを感じた。あとは成績がついてくるように努力したい」と結んだ。
入会については、11月15日のJリーグ理事会で承認の可否が決まるが、JFLは勝点3以内で4位に入る可能性のあるチームが数チームとひしめく状態で、加入が本決まりとなるのはシーズン最終戦(12月10・11日)まで持ち越される可能性が高い。