夏の多摩川の風物詩として親しまれている「狛江古代カップ第21回多摩川いかだレース大会」(同実行委員会主催)が7月17日に催され、昨年を5艇上回る82の手作りいかだが参加、強い日射しの下で熱いレースをくり広げた。いかだの中には東日本大震災の被災地に向けたメッセージを記したものもあった。レースの結果は、チームラフティーが大会初の10連覇を果たした。
写真=趣向を凝らしたいかだで多摩川を下る
元冬季オリンピック選手の荻原次晴さんの選手宣誓で始まったレースは西河原公園近くの通称五本松から二ヶ領用水宿河原堰まで約1.3kmを自作のいかだで下り、所要時間を競うタイム部門と、いかだのデザインや出来ばえを競う企画部門で行われた。
参加チームは初出場が14にのぼり、狛江市内だけでなく、同市と交流している多摩川の源流の小菅村、奥多摩町、新潟県長岡市、多摩川流域の調布市、稲城市、府中市、立川市、対岸の川崎市、さらには世田谷区、千代田区、群馬県桐生市など遠方からエントリーしたチームもあった。
ことしの多摩川は水量も多く、おおくのいかだが順調に川を下ったが、なかにはバランスを崩して転覆、川岸のギャラリーの笑いを誘っていた。デザイン重視のいかだの中にはやまめの炭火焼き、黄と赤の羽を広げたフェニックス、大きなスイカ、真っ黒な海賊船など、力の入ったいかだもあり、観客の目を引きつけていた。
スピード部門では、10連覇がかかるチームラフティー(写真左)が出場した最終の12レースに注目が集まり、白い水しぶきを上げて力漕するいかだに盛んな声援が送られた。ラフティーはスタート地点では他のいかだに後れを取り、逆風でややタイムは落としたものの11分23秒で漕ぎきり、V10を達成した。
企画部門では、結婚10周年記念のウェディングドレスなどの正装の「新郎新婦」が乗る白馬が引く馬車を作ったチーム太陽の西(写真右下)が大賞に輝いた。