神奈川県立多摩高校(石塚昭司校長)の合唱部が、歌を通して震災被災地や地域と絆を深めようと、5月5日14時30分から川崎市中原区のエポックなかはらで、OB・OGら総勢100人による特別演奏会を開く。
写真=先輩を交じえて練習(4月29日撮影)
1956年の学校創立当初に同好会だった合唱部は、1960年代半ばに合唱部となり、毎年春休みに1年間のの活動を締めくくる定期演奏会を開いてきた。
顧問の小川英子教諭によると、ことしも当初は3月29日に催す予定の第45回定期演奏会に向け練習を続け準備を進めてきたが、3月11日の東日本大震災の後、部員らは話し合いを重ねて定期演奏会を中止することにした。しかし、地域や多くの先輩らに支えられて合唱部があることを多くの人に伝えたいとの思いも強く、「今できることを形で表そう」と新たに特別演奏会を開くことを決めたという。生徒たちの思いを伝え聞いた合唱部先輩らも演奏会を支えようとステージの一部に出演することになった。
特別演奏会で歌う歌は、主に定期演奏会で披露する予定だった歌が中心だが、「未来に向かう力強さ」を表そうと新たな曲も取り入れて練習している。
演奏は4ステージで、第1ステージは2・3年生と3月に卒業した人が組曲「風になる笛」を合唱する。NHK合唱コンクール課題曲などを中心とする第2ステージと、校内合唱コンクール課題曲や合唱部が代々受け継いできた「伝統曲」を中心とした曲を歌う第3ステージは、新1年生を含めた合唱部が現在のハーモニーを披露する。第4ステージは、未来に向かって立ち上がる思いを込めた内容となっている合唱組曲で、当初の予定に新たに曲を加えてOB・OGら総勢100人が力強い歌声を響かせる。
会場では、市内に避難している被災者も招待するほか、被災地に向けた義援金の募金も行う。
入場は無料。
問い合わせは電話044(911)7107県立多摩校校合唱部またはホームページ(こちら>)
写真=先輩を前にカラフルなTシャツで伝統曲を歌う現役合唱部員(4月29日撮影)