JFL・町田ゼルビアの来季監督ポポヴィッチ氏が就任会見:「全力投球で町田に夢を届けたい」

101216zelviakantoku01 FC町田ゼルビアが2月15日に、東京都北区の国立スポーツ科学センター西が丘サッカー場で、来シーズンの指揮をとることが決まったランコ・ポポヴィッチ氏(43)の就任記者会見を行った。

写真=(右から)下川代表取締役、ポポヴィッチ氏、唐沢ゼネラルマネージャー

 

ゼルビアはこの日、同サッカー場でセレクションを行っており、ポポヴィッチ氏は、契約を兼ねてセレクションを見るために来日した。17日には帰国する予定。
会見には、下川浩之・(株)ゼルビア代表取締役、唐井直・FC町田ゼルビアゼネラルマネージャーが同席。
初めに、唐井ゼネラルマネーシャーが「相馬監督には続投を頼んだが、川崎フロンターレからオファーがあり、当初は留任に努めたが、キャリアを伸ばす良い話なので送り出した。ただ、相馬監督がこの1年で築いてきたことを継承し、成長させるための監督を探すのに苦労した。ポポビッチ氏がJ2昇格というプロジェクトに心を動かしてくれ、若手の育成と、結果を残せる監督を迎えることができた」とほっとした表情で就任について説明した。
101216zelviakantoku03 ポポヴィッチ氏は「日本で仕事がしたいと思っていたので、自分を信頼してオファーをしてくれた社長らに感謝し、このチームでの仕事を楽しみたい」と切り出し「行動で表すのが私のスタイルなので、約束はしないが、自分のエネルギーの全てを出して、選手、フロントが一体となって町田に夢を届けたい」と挨拶した。
具体的には「日本には伸びしろのある選手が多く、私の指導で(過去に)サンフレッチェ広島や大分トリニータで能力を伸ばした選手もいる。監督の仕事は、(JFLという)カテゴリーには関係なく、どういうビジョン、計画を持っているかが重要。クラブの大きさは関係なく、自分のチームで全力投球するつもり」と指導者としての考え方を披露、欲しい選手については「スピード、賢さ、信頼性のある人だが、お金がかからないことも大事」とユーモアを交えて話した。
ゼルビアについては「DVDで何試合か見たが、相馬監督がいいチームを作った。ポテンシャルのある選手がおり、その良さを引き出していきたい。選手たちには毎日力を出し切ることを求め、攻撃的でおもしろく、責任を持つサッカーをしたい」と力強く話した。 

ポポヴィッチ氏は1967年6月生まれの43歳。オーストリアとセルビアの国籍を持つ。ユーゴスラビア2部リーグのブドゥチュロスト・ペチを振り出しに、同1部リーグのパルチザン・ベオグラードなど経て、ギリシャ、スペイン、オーストリアのチームで選手時代を過ごす。現役時代のポジションはセンターバックで、パルチザン時代などに元日本代表監督のイビチャ・オシム氏の指導を受けた。
指導者としては、2002年にオーストリア4部リーグのアルヌ・フェリスで選手兼監督として初めて指揮をとり、同リーグのパクヘルフを経て、2006年にサンフレッチェ広島のコーチに就任、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督を2007年まで補佐した。その後セルビアのチームで監督を務め、2009年7月にペリクレム・シャムスカ監督の後任として当時J1だった大分トリニータの監督になった。不振にあえぐチームのテコ入れはかり、結果的にはJ2に降格したものの、終盤の10試合は負け知らずでチームを立て直した。今シーズンも本人は続投を希望もしたが、チーム事情もあって果たせず帰国していた。