狛江市で77艇の手作りいかだがレース:龍馬も「黒船で多摩川を下ったぜよ」

100718ikada 01

 狛江市で7月18日、「狛江古代カップ第20回多摩川いかだレース大会」(同実行委員会主催)が催され、デザインやアイデアをこらした手作りいかだ77艇が川を下った。このいかだレースはことしで20回目を迎え、狛江市制40周年と合わせた記念イベントも行われた。いかだの中には、人気のテレビドラマにちなんで坂本龍馬も黒船に乗って搭乗したほか、昨年に続いてオリンピック金メダリスト荻原健司さん、タレントのダニエル・カールさんに加え、矢野裕・狛江市長も初めていかだに乗り、見物の市民から盛んな声援を受けていた。

写真=最優秀賞の「狛江六小イカダファイターズ」の黒船

100718ikada 06  レースは西河原公園近くの通称五本松から二ヶ領用水宿河原堰まで約1.3kmを自作のいかだで下り、所要時間を競うタイム部門と、いかだのデザインや出来を競う企画部門で行われる。
前日の梅雨明けに合わせたかのように青空が広がり、強い夏の日差しが照りつける絶好のいかだ日和。しかし、多摩川は連日の雨で水かさが増し、流れもかなり速く、スタート地点で転覆するいかだが多く見られた。
100718ikada 02  レースは午前10時から一度に6〜7艇がグループとなってスタートする方式で行われたが、例年より水量が多く速い流れで川に張ったロープのスタート位置につくまでに時間がかかるため、スタート地点につけずにスタートしてもその分の所要時間を修正する方式がとられた。また、スタート地点のロープが切れるハプニングもあったが、消防署のボートが協力してロープをつないだため、ほぼ予定通りの時間でレースを続行できた。
企画部門に参加したいかだのなかには機関車や消防車、バドミントンのラケットをデザインしたものに加え、絵手紙発祥の地・狛江にちなんで川を下りながら絵手紙を描くパフォーマンスを披露したり、人気のテレビドラマにちなんでゲゲゲの鬼太郎のふん装なども登場、見物の市民を喜ばせた。
昨年から1時間の制限時間が設けられ、欠場した1艇を除き77艇が完走したが、1艇がタイムオーバーで記録が残らなかった。
100718ikada 04  初めていかだに乗った矢野市長は「例年は審査員の立場だが、川からの眺めが想像以上に気持ちよく、毎年参加する人や支えてきた人の気持ちがよくわかりました。あしたの筋肉痛がどの程度か心配だけど、来年以降もチャレンジしたい」と満足そうに話していた。
9連覇を達成したチーム・ラフティーは「ことしは練習中にいかだが壊れて2週間練習ができなかったが、チームワークで乗り越えて優勝できた。次はV10を達成したい」と早くも来年に意欲を燃やしていた。
企画賞の「狛江六小いかだファイターズ」は子どものアイデアを生かして6月から同小の父親らが毎週日曜日に製作した力作。乗船者だけでなく製作した人も舞台に上がって喜んでいた。
100718ikada 05  表彰式終了後には、関連事業として市制40周年といかだレース20回を記念した「屋形船コンサート」がゴール地点下流で行われた。狛江高校箏曲(そうきょく)部で箏(こと)を指導する渡辺正子さんと同部OB4人が和服姿でが水上に浮かべた屋形船の上で「コンドルは飛んでいく」などのなじみの曲や「アクアブルーの風」などを演奏、川面をわたる風に乗った涼しげな調べに、100人ほどの聴衆はうっとりと聴き入ってた。
 
●チーム・ラフティーが9連覇
レースは、各部門とも水量が豊富で流れが速かったため、タイムは昨年より早かった。優勝候補のチーム・ラフティーは、スタート直後にコース取りで他のいかだと接触、1回転して最下位に落ちたが、コースの水の流れを熟知している経験をうまく生かして先行するするいかだを次々と追い抜いて、2位に1分14秒差をつけて9連覇を達成した。
 
主なレースの結果は次の通り。レース部門■《一般の部》優勝=チーム・ラフティー(1045秒)、準優勝=カンティプール(1159秒)、3位=奥多摩カヌークラブ(1217秒)、4位=鶴見川育成会(1219秒)、5位=チビチビカンティプール(1223秒)《学生の部》優勝=チビチビカンティプール(1223秒)、準優勝=ボーイスカウト狛江第1団ボーイ隊(1729秒)《レディース・ジュニアの部》優勝=プリプリカンティプール(1508秒)、準優勝=稲六ボーイズ(1626秒)、3位=フレンズレディー(1627秒)
企画部門■最優秀賞=狛江六小いかだファイターズB、優秀賞=駄倉町会青年部、企画賞=狛江RESCUE FIRE、狛江市商工会、多摩源流1号 飛田給小学校バドミントン同好会、太陽の西■審査員特別賞 =かわぐち遊川の会、美しい多摩川フォーラム、調布警察署■稲田多摩川観光協会賞=西生田中おやじ&ボーイズ

写真(上から)=多摩水道橋からのぞむレースの様子(撮影 : 清水 隆)、五本松付近を下るいかだと観客、ゴールに手を挙げて喜ぶ「美しい多摩川フォーラム号」の荻原健司さんとダニエル・カールさん(撮影:丸山幸一)、屋形船コンサートで箏を演奏する出演者