Jリーグ20節の試合が8月1日と2日に行われ、川崎は1日にホーム等々力でFC東京と対戦。前半に現在、日本人得点ランキング1位のFC東京MF石川直宏にゴールを許すが、後半にFWジュニーニョが同点ゴール、ロスタイムにMF谷口博之が逆転ゴールを決め、勝点を36に伸ばして2位に浮上した。
写真(上から)=逆転のゴールに手を挙げて喜ぶ谷口とジュニーニョ、バンザイする関塚監督(右の白いシャツ)、FC東京の先制ゴール(撮影 : 山本真人)、川崎Fの攻撃を防ぐFC東京の平山FW相太(撮影 : 上田茂)、ロスタームのゴールに喜ぶ川崎Fの谷口と伊藤宏樹(撮影 : 山本真人)、喜ぶベンチ(撮影 : 山本真人)
両チームは、隣り合う良きライバルとして最近の対戦を「多摩川クラシコ」と名づけ、試合を盛り上げるさまざまなイベントを協力して実施している。1999年からことし5月24日(第13節)の15試合の結果は、5勝5分5敗と全くイーブン。両チームとも3日前にナビスコ準々決勝の試合を勝ち抜きベスト4にコマを進めており、またリーグ戦では川崎Fが勝点33の4位、FC東京は勝点32の5位で、上位に進出するためにはこの試合にかける意気込みは強い。FC東京サポーター側の席は早々とチケットが完売しており、競技場には21,379人の観客が詰めかけた。
試合は、立ち上がりから早い転回での攻防が続き互いにチャンスを作るが決めきれず、徐々にFC東京のペースとなる。37分、FC東京のDF永友佑都から警戒していた石川にボールが渡り制ゴールを決められた。その後も攻防が続くがFC東京の1点リードで折り返す。
後半は川崎Fが中盤でボールをつないで積極的に攻撃してリズムを作り、53分にはFW山岸智からレナチーニョにと早めの選手交代。これ
が功奏し、55分にジュニーニョが同点のゴールを決め試合は降り出しに戻った。川崎は65分、71分にも選手交代のカードを切り攻撃的な布陣を敷く。前半からかなり飛ばしていたFC東京は70分過ぎに運動量が落ちてシュート数も減り、次の1点を狙って川崎がFC東京前で攻撃を繰り返すが、相手の好守備で追加点がなかなか奪えずロスタイムに突入。時計が回りこのまま引き分けに終わるか思われる時、相手Dのこぼれ球に触れたジュニーニョからのボールをペナルティエリア前に走り込んでいた谷口が落ち着いて右足で低めに決めて追加ゴール。ナビスコ準々決勝に続き、ロスタイムに劇的な勝利を納め、川崎サポーターを沸かせた。
川崎Fは、カップ戦に勝ち残り全てのタイトルを狙う位置を確保しているが、7月のリーグ戦で引き分けや敗戦が続いていたため、この勝利にベンチも大喜び。首位のアントラーズの連勝が17試合で止まったため、勝ち点差が詰まった貴重な勝利となった。
試合後の会見で関塚隆監督は「最後に逆転で勝てたというのも等々力の力で勝てたのかなと思います」と感謝、「にリーグ戦上位戦線を占う重要な試合だったので、FC東京さんから勝点3を取れたことは貴重だと思います」とにこやかに話した。
一方敗れた城福浩監督は「多くのファンが熱い応援を送ってくれたのに勝てなくて残念。後半の戦いが今ひとつで、バックアップの選手の差が課題だ」と敗因を語った。
リーグ戦は、約2週間の休みを挟み8月15・16日に第21節が行われる。
川崎Fは休み明けにアウェイ戦が2試合続き、次のホーム試合は8月23日(第23節)19時で、モンティデオ山形と対戦する。