ヤマザキナビスコ準々決勝の第2試合の4ゲームが7月29日に行われた。第1試合を落としている川崎は、ホーム等々力陸上競技場に鹿島アントラーズを迎えて対戦、ロスタイム終了間際にFWジュニーニョが値千金の先制ゴールを入れて合計得点が同点となり、延長戦に突入。勢いに乗る川崎は、延長前半に鹿島側サポーターの目の前で2ゴールをたたき上げ、3対0と完勝、準決勝への切符をもぎ取った。
写真=ロスタイム終了直前のゴールに呆然とする鹿島の選手とサポーター席に駆け寄るジュニーニョ(ネット越し左から2人目の青いユニフォーム)、94分レナチーニョの勝ちゴールに喜ぶ、菊地の退場後の壁に当たった鹿島のフリーキック(撮影 : 山本真人)、試合終了後に喜ぶ川崎Fベンチ
第1戦を1対0で敗戦している川崎Fは、準決勝に進出するため2点以上の差が必要だったのに対し、鹿島は引き分けでも可という条件。
試合は、両チームとも序盤から相手の出方をうかがいながら、互いに何度かチャンスをつくり出すが、GKを中心にした好守に阻まれ決めきれず、前半を0対0で終える。
後半、鹿島FWマルキーニョスを中心にした攻撃にヒヤリとする場面もあったが、川崎Fは全員が高い守備意識でしのぐ。後のない川崎は、65分にFW登録の山岸智からレナチーニョ、69分にFW矢島卓郎から鄭大世と早めに
交代、システムも変更して点を取りに行く。前半からの激しい動きでゲームのペースはやや落ち、80分を過ぎるあたりから引き分け狙いの鹿島はさらにゆっくりとボール回し始め、川崎FはFW黒津勝を投入、超攻撃的な布陣で先取点をねらい猛攻撃するが、ゴールネットをゆらすことができない。
試合が動いたのは、4分と表示されたロスタイムがかなりすぎ、最後のワンプレーだった。ペナルティエリア付近でボールを受けた鄭のこぼれ球を右サイドにいたジュニーニョが、右足で直接ゴールに突き刺し劇的な勝ち越し。2試合の勝敗は降り出しに戻り30分の延長戦に突入した。
勢いに乗る川崎Fは、94分にレナチーニョ、102分に鄭が追加点をあげて優位に立った。108分にはゴール前でマルキーニョスのプレーを止めたDF菊地光将が一発退場、このプレーで鹿島に与えたフリーキックは、壁に当たって事なきを得、その後も続く鹿島の反撃を全員でしのぎきって完封、うれしい勝ち星をあげた。
試合後の会見で、関塚監督は「7月はサポーターにストレスをためる試合が続いたが、今日は非常に集中し内容的にもしっかりと下戦いができ、サポーターと選手に感謝したい。王者鹿島に勝ちベスト4に入れたことは価値がある。っっっつぎしっかりと成長したを見せたい」と落ち着いた表情で話し「今日の勝利は、全員の守備意識」と勝因を分析した。
30分の延長繊に入るインターバルでは、劇的な勝利で心理的に優位に立つ川崎Fは、マッサージを受ける選手に控えの選手や途中交代した選手らも声を掛け、試合開始直前には全員で円陣を組み、試合に臨んだ。一方、鹿島は気持ちを切り替えられない表情のままの選手(写真右)もおり、この違いが、延長繊に表れていた。
○試合前にアメフト選手らが打ち水
試合の前には、地球温暖化を防止に取り組む川崎市に一環として等々力競技場内で「カーボン・チャレンジ等々力 中原打ち水作戦」を実施。のは、川崎市ホームタウンスポーツパートナーのバスケットボール富士通レッドウェーブ、富士通フロンティアーズの選手やマスコットが参加し、バックスタンド前のトラックに打ち水、水まき前と後の温度差を比較、慣れない手つきでひしゃくを握るマスコットらにカメラを向けるサポーターもいた、