「狛江古代カップ第19回多摩川いかだレース大会」(同実行委員会主催)が7月19日、狛江市の多摩川で開かれ、東京オリンピック招致に向けての招待も含め、82の趣向を凝らしたいかだが所要時間やデザインを競い合った。
写真(上から)=荻原兄弟らがオリンピック出場者が乗った「2016東京オリンピック招致号」も特別出場、水道橋から望むレースの全景、ダニエル・カールさんが乗った丸太のいかだ(撮影 : 一ノ瀬節夫)、スタート付近でいかだの手入れをする出場者(撮影 : 一ノ瀬節夫)、選手宣誓、スタート付近で必死にコース取りする参加チーム、ゴールしたオリンピック招致号、トークショー
レースは、所要時間を競うレース部門は「チームラフティ」が8連覇を達成、いかだの出来栄えを競う企画部門は、ピラミッドを模した乗組員がクレオパトラやミイラに扮した「チーム太陽の西と六小の子供たち」が昨年に続き最優秀賞を獲得した。
ことしのレースは、昨年より10チーム少ない82チームがエントリー、うち1チームが当日不参加だった。スキーノルディック複合団体金メダリスト荻原健司さん、競泳女子800m自由形金メダリスト柴田亜衣さん、スキーノルディック複合団体5位荻原次晴さん、陸上女子1,000m5位千葉真子さんの4人のオリンピアが乗るイカダが第1レースに出場、2016年の東
京五輪招致をアピール。また多摩川の保全活動に取り組むタレントのダニエル・カールさんと山梨県小菅村の中村文明多摩源流研究所所長らが狛江市民とともに丸太を組んだ本格的ないかだに乗ってレースに参加、午後1時から川の大切さをアピールするトーク・ショーにも出演。スタート地点の通称五本松付近やゴールには見物客や出場チームの応援団が約15,000人(主催者発表)が訪れ、例年以上に盛り上がった。
レースは、五本松から宿河原堰手前まで約1.3 キロをいかだで下り、一般、レディス・ジュニア、学生の3部門で所要時間とアイデアや出来栄えを競った。出場チームは狛江市内だけでなく、同市と交流している山梨県小菅村、新潟県川口町、多摩川流域の川崎市、調布市、稲城市、世田谷区など20の地域から参加。スタート地点の河川敷には、発砲スチロールやペットボトル、塩ビ管などを利用して作り上げたさまざまないかだが勢揃い、出場間際までいかだを手入れするグループもいた。
午前9時20分からの開会式では、第1レースに出場のオリンピック招致号の荻原健司さんが「私たち狛江古代カップ第19回多摩川いかだレース参加者は、狛江市民憲章にある『互いに信じ,助けあい,連帯』で、一生懸命多摩川を下ります」と力強く選手宣誓。荻原さんらは先制前に司会者からインタビューを受け、そろいのユニホームの下に付けているスエットスーツを見せて「暑いので早くレースに出たい」(健司さん)、「私は泳げませんが、無事ゴールできればオリンピックが招致できると思いますので、応援をよろしく」(千葉真子さん)とこたえ、大きな拍手を受けていた。
レースは午前10時に第1レースの6艇がスタート、その後7艇ずつ10分間隔で12レースまで行われた。ことしはスタート地点は川の水量が多かったが、川下からの強い向かい風で先頭方向が定まらずコース取りに失敗するいかだや、多摩水道橋下付近の浅瀬に盛り上げ川に降りていかだを押すチームもあり、川岸の見物客からはどよめきや笑い声が上がっていた。
企画部門の入賞をめざしてアイデアや仮装を競うチームも多く、東京タワーや大きなカルガモ、うなぎねこや人気のアニメを模したユニークないかだがが登場、子どもたちを喜ばせた。
ぶっつけ本番のオリンピック号は、上部四方に看板をめぐらせたデザインのため向かい風をまともに受け、コース取りと水の流れに乗せるの大苦戦。50分25秒かかってゴールにたどり着き、待ち受けた観客から大きな歓声と拍手を受けていた。招待号のため順位は除外されたが、完走チーム中71番目のタイムだった。リーダーの荻原次晴さんは「風をまともに受けてちょっと疲れましたが、初めての経験でとても面白かった」と笑顔、千葉さんは「予想していた倍以上の時間がかかりました。泳いだ方がはるかに早かったと思いますが、楽しかった」と話した。
ことしから1時間以上かかったチームは表彰の対象とならなくなったが、制限時間内に74艇がゴール。79艇が完走したが、レース途中でいかだが壊れた2艇は記録が残らず引き上げられた。
8連覇を達成したチーム・ラフティーは「ことしも7月に入ってから毎週練習しました。来年も優勝めざしがんばります」と9連覇への意欲をみせ、企画賞の太陽の西チームと6小の子供たちは表彰式の壇上で「結婚以来の快挙です」と会場の観客らを笑わせた。
●チーム・ラフティーが8連覇達成
レースの結果は、各部門とも向かい風の影響で、タイムは昨年より軒並み遅かった。8連覇のかかったチームラフティは、スタート地点からコース取りもうまくいき快走、タイムは例年より68秒遅かったが、2位の鶴見川育成会に52秒の差をつけて、王者の貫禄を見せつけ、自らの持つ大会記録を塗り替えた。
主なレースの結果は次の通り。
レース部門■《一般の部》優勝=チーム・ラフティー(11分48秒)、準優勝=カンティプール(12分40秒)、3位=どんがめち〜む(13分10秒)、4位=鶴見川育成会(14分17秒)、5位=奥多摩カヌークラブ(14分18秒)《学生の部》優勝=西生田中おやじ&ボーイズ(20分10秒)、準優勝=ボーイスカウト狛江第1団ベンチャー隊(21分19秒)《レディース・ジュニアの部》優勝=プリプリカンティプール(18分 00秒)、準優勝=稲六ボーイズ(18分03秒)、3位稲六ビッグダディーズ5世号(18分05秒)
■企画部門■最優秀賞=チーム太陽の西と六小の子供たち、優秀賞=六小いかだファイターズA、企画賞=フレンズ、はちの子 BOAT、駄倉町会青年部、三郎’S、フレンズ2■審査員特別賞 =かわぐち遊川の会、多摩源流1号、定額給付金号「こすげFight一発」チーム、遊川の会、まだまだがんばってます川口■稲田多摩川観光協会賞=西生田中おやじ&ボーイズ■ブービー賞=飛田給小学校バドミントン同好会