小田急線狛江駅前のエコルマホールのホワイエ(ロビー)で3月12日、市内のミュージシャンらが出演する初の「エコルマセッション」が開かれ、観客80人がアルコールなどをたしなみながらゆったりとしたおとなの雰囲気で一流ミュージシャンが奏でるジャズの軽妙な音に酔いしれていた。
写真=会場全景、演奏の4人、ドリンクコーナーで注文する矢野沙織さん
出演したのは、斎藤さんの音楽仲間で市内に住む音楽仲間のベース奏者・井上富雄さん、アコーディオン奏者・佐藤芳明さんの3人の市内在住音楽家のほか、スペシャルゲストとして、哀悼さんのアレンジで昨年12月に新アルバムを発売したサックス奏者の矢野沙織さんの4人。
午後7時から斎藤さんのユーモアあふれるトークで始まったライブは、まず最初に斎藤さんが音楽監督したカフカ「審判」のテーマ曲を狛江在住の3人で演奏、続いて矢野さんが登場して斎藤さんや矢野さんの曲をソロパートをまじえて約45分ほど演奏。休憩を挟んで後半は、「サマータイム」「A列車で行こう」などのなじみのジャズナンバーを各パートが別の絶妙のアレンジで演奏、客席から大きな拍手が起きた。
会場では、市内の酒店とバーが参加しワインやビール、ウィスキーなどを販売するドリンクコーナーが設けられ、開演前にはお酒を求める人が多く並び、くつろいだムード。休憩時には出演者もアルコールを注文して観客と話を交わすなごやかな肥地幕も見られた。
50代女性は「ジャズが好きですが、普段はなかなかライブハウスに行けないけど、身近なところなので娘と来ました。演奏者の息づかいも伝わるくらい広さで雰囲気がとてもよかった」と話すと、吹奏楽をやっている娘は「名前を知ってるミュージシャンの演奏を生で聴け、すごく感動した」と笑顔。趣味でアコーディオンを演奏、佐藤さんのファンという川崎市麻生区か参加した大学生は「佐藤さんのHPでこのセッションを知りました。都内のライブハウスは狭いところが多いが、ここはゆったりとしていてよかった。佐藤さんの指使いも間近に見られて楽しかった」と興奮したおももち。
この催しは、エコルマホールを運営する狛江市文化振興事業団の理事のひとりで市内在住の斎藤ネコさんから、大ホールが利用されない時にロビー部分を有効に使って音楽演奏をしようと「エコルマセッション」のアイデアが出され、ホワイエをライブハウスに見立て試験的にはじめて催されたもの。
企画した斎藤さんは「いい音楽空間で音も良かった。イスの数を少なくするようにおねがいしたのがよかった。ここをきっかけに、気軽に音楽を楽しみ、ホールに来てもらえるようにしたい」と話していた。
狛江市文化振興事業団では、将来的はロビーも音楽空間として貸し出せるよう、年内にあと2、3回ロビーでライブを催し、音響や使い勝手などの問題点を検証を重ねる予定だ。