「ふれあう心で豊かなまちを」を合い言葉に、32回目の狛江市民まつりが11月16日、狛江第一小学校、狛江市役所、市民グランドなどで催された。前夜からの雨は開会時に多少残ったものの、時折雨がパラつく程度まで回復し、昼前ごろから多くの家族連れが訪れ、パレードが中止となった昨年より1000人多い約59,000人(主催者発表)が祭を楽しんでいた。
祭りの開会を告げるパレードは、午前9時半に市民グランドから第一小学校の鼓笛隊を先頭に、シルバー人材センター、消防少年団、バトンサークルなど小学生からお年寄りまで多くの市民が参加、みこし、はやし連の山車、野菜の宝船などが練り歩き祭りムードを高めた。一小の舞台では実行委員会や来賓の矢野裕市長などがあいさつの後、地酒の鏡割りも行われ、マス酒で乾杯した。
一小の特設舞台には透明の屋根のテントが立てられ、3歳の幼児が踊る郷土芸能のおはやしやダンス、子どもたちに人気のヒーローショーなどががくり広げられた。校庭にはカラフルなテントが並び、市民団体と友好都市の新潟県川口町、山梨県小菅村などの物産展、公共団体や市民団体など45店舗が出店、買い物を楽しんでいた。昨年に続き、多摩川の対岸の川崎市多摩区からも出店、和菓子店がモチやダンゴ、「多摩川音頭」など多摩区の銘菓を販売、人気を集めていた。
農産物品評会のテントでは、前日の審査で選ばれた都知事賞のジャガイモなど選りすぐりの狛江産の野菜や果物などが披露され、市民が「おいしそう」などと話しながら見入っていた。正門近くにはパレードに出た野菜の宝分けを待つ市民が開始3時間ほど前から並び始め、開始前には数百人の行列が長い列を作った。また、午前中に行われた市内産の野菜の産直も人気をよび、短時間で売り切れた。
市民グランドでは、市体育協会によるスポーツ祭が開かれ、FC東京のキックターゲット、ダーツゲーム、スピードガンなどのゲームやグランドゴルフなどに子どももおとなも汗を流していた。
歩行者天国となった本町通りでは、本場沖縄の学生たちによるエイサーをはじめ、ロックソーランなどの踊りやストリートライブが行われた。雨のため出演を見合わせた団体もあったが、演奏される曲に合わせて手拍子をするなどなごやかなムードで、カサを差しながら立ち止まって踊りや音楽を楽しんでいた。
市役所では色づいたケヤキの下で市内の企業や商店、福島県南会津町の農家などが出店、日用品や食料品などのビックリ市のほか、秋の大売り出しの抽選会、郷土芸能などコマレンジャーのショーなどのステージに人だかりができていた。スイーツ逸品コンテストの表彰とスイーツ券がプレゼントされるじゃんけん大会が催され、人気を集めていた。
市民センターで催された文化祭には写真、手工芸などの力作が展示され、訪れた人たちは静かに文化の秋を味わっていた。
各会場は、例年なら焼きソバなどの食べ物は早々に売り切れるが、ぐずつき気味の天気のせいか、売れ残る店もめだち、祭りの終了間際まで大きな声で呼び込みをしたものの、降り始めた雨のため足早に家路を急ぐ客を引き留めるのは難しく、うらめしげに空をあおいでいた。