伝統芸能を次世代につなげようと、川崎市の麻生市民館で9月4日に能と狂言のワークショップが開かれ、親子約50人が狂言の基本所作や謡(うたい)を体験した。
写真=狂言の泣きの所作を教えるスタッフ、立ち上がって羽衣の舞を見る子ども、装束の説明
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ワークショップは、同館で午後6時30分からの「しんゆり薪能」の一環として開かれたもので、昨年に続き2回目となった「しんゆり薪能」は、新百合ヶ丘北口に2007年秋に誕生した「新百合山手」の開発を行った「万福寺土地区画整理組合」が9月末に解散する記念も兼ね、主催者が地元の子どもたちを特別招待、地元の万福寺子ども会の小学1年から5年生の子ども23人とその保護者が参加。
本公演に先立ち午後4時30分から開かれたワークショップは、しんゆり薪能をプロデュースした銕仙会の笠井賢一さんの解説で、狂言「柿山伏」と能「羽衣」の舞の一部を鑑賞。狂言の基本所作「笑い」と「泣き」、羽衣の「謡」の一部を体験。その後、5年生の田中彩香さんが代表で舞台に上がり、長い袴の子役の装束を着付けてもらい能の歩き方を学んだ。
子どもたちは「(狂言の)大きな声にびっくりした」と、とまどいの表情を浮かべながらもだんだん大きな声を出し、笑い方と泣き方を練習。田中さんは「きれいな衣装でうれしかったけど、すごく重くて歩きにくかった。このあとの能を見るのが楽しみです」とはにかみ顔で話した。
笠井さんは「柿山伏も羽衣も教科書に出ており、子どもたちが知っている話。(内容は違うが)このあとの舞台を観るのに参考になると思う。こうした機会を増やし、能や狂言を多くの子どもたちにも見てもらい、日本の伝統芸能を次の世代に引き継いでいきたい」と話していた。