ナビスコカップ: 川崎が札幌に勝利:我那覇のゴールで決勝進出に望みつなぐ

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ナビスコカップ第5節の8試合が5月31日に行われ、Cグループの川崎はホーム等々力にコンサドーレ札幌を迎えて対戦、2ヶ月ぶりにスタメンしたFW我那覇和樹選手が18分に先制、ジュニーニョ選手も84分にPKを決めて2対0と完封、ナビスコ予選の2勝目をあげた。C組のもう一試合柏レイソル対ジェフユナイテッド千葉が1対1で引き分けたため、前節4位だった川崎Fは得失点差で2位に浮上、ナビスコ決勝トーナメント進出に望みをつないだ。

写真=我那覇のゴール、シャツを脱いで喜ぶ我那覇、ビッグセーブのGK植草(撮影:藤井隆弘)、6月28日の新潟選に向けてのイベント用ミニ新幹線(撮影:藤井栄美)、ファイトを約束するイレブン

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我那覇のシュートは、昨年4月21日のJリーグ7節浦和レッズ戦以来13ヶ月ぶり。ボールの行方をしっかりと確認した後、チームメートの祝福にも気づかなかったようにユニフォームを脱ぎながらメインスタンドに向かって走り出し、9番のユニフォームを広げて見せて喜びを爆発させた。
我那覇は、昨年Jリーグから受けたドーピング禁止規定違反の処分の取り消しを求めており、5月27日にスポーツ仲裁裁判所で身の潔白が証明されたばかりで、再起を強く印象づけたこのゴールに、観客席からは大きな拍手がわき上がっていた。
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川崎Fのスタメンは、ワールドカップの最終予選選出、U-23日本代表トゥーロン国際大会に加え怪我人でレギュラー6人が抜けたが、怪我から復帰した我那覇が戻り、大学新卒組のDF横山知伸、MF田坂裕介、MF菊池光将などフレッシュなメンバー。両チームともこの試合に負けると、予選敗退が濃厚になるだけに激しい展開が予想された。
一時止んだ雨が試合前にまた降り出し、すべりやすい状況でキックオフ。札幌は立ち上がりから激しい攻撃をしかけるが、川崎FのGK植草裕樹選手が好セーブでピンチをしのいで落ち着きを取り戻し、カウンターから18分に田坂のクロスを受けた我那覇が右足を振り切る見事なゴールで先制。この得点で川崎Fは目を覚ましたかのように攻撃のリズムをつかむが、フィニッシュが決まらず1点リードで前半を終えた。
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後半も立ち上がり、植草が決定的なシュートを好セーブ、我那覇が何度かチャンスをつくるが追加点には結びつかない。負けられない札幌は早めに選手交代し、MFクライトンを中心にダヴィ、エジソンの外国人トリオで攻撃。川崎Fは落ち着いて守り、84分にMF大橋正博のパスに反応したジュニーニョが札幌GK佐藤裕也に倒されて得たPKを冷静に決めて追加点を奪い勝利。ナビスコ5試合の内、4試合に出場した植草にとっては初勝利で、完封で守ったことは大きな自信につながった。
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試合後のヒーローインタビューで我那覇は「この1年あまり苦しかったが、多くの人に支えられやっとスタートラインに立つことができた」と言葉をつまらせながら話すと川崎側だけでなく札幌の客席からも拍手が贈られ、川崎サポーターから我那覇コールが起きていた。また、バックスタンド前では、アウェイで一勝もしていない新潟戦に向けてファイトしようと、選手全員が模型のミニ新幹線に乗り込み「FA宣言〈両チーム名とファイティング(Fighting) アウェイ(Away)の頭文字〉」、サポーターに手を振り笑顔を振りまきいた。
ナビスコグループリーグ最終試合は、6月8日。川崎は勝点9で1位の千葉とフクダ電子アリーナで対戦する。C組は現在、千葉が勝ち点差でリードしているが、試合の結果次第では、3位の柏も1位にあがる可能性を残す混戦の状態だ。
ワールドカップの予選で、リーグ戦はしばらく中断、再開は6月28日でアウェイのアルビレックス新潟戦で、次のホーム試合は7月6日19時キックオフで横浜Fマリノスと対戦する。