水難事故の多発する梅雨を前に、狛江市、狛江消防署、狛江消防署が5月25日が、同市猪方4丁目先の多摩川河川敷で恒例の合同水防訓練を実施、前夜からの激しい雨が降りしきる中、約300人が20台の車両を使って真剣な表情で土のう積みなどを行った。
写真=そろいの雨カッパで連結水のう工法を行う消防団員ら、都市型浸水に備えビニール袋に水を入れて運ぶ市民、東京消防庁が開発したスプリング入りの拡張テント
午前9時からの訓練は、「台風の接近で東京地方に未曾有の雨が降り床下浸水、道路冠水が多発、多摩川の堤防が決壊のするおそれがある」の想定で、狛江消防署、市職員、狛江消防団のほか同市建設業協会、狛江市防災会、女性防火の会、東京消防庁災害時支ボランティアなどが参加。今回は、会場のすぐ下流側が昨年の台風で壊れた多摩川護床の工事現場となったため訓練の規模を縮小、例年川で行う人命救助はのぞかれた。
会場では、狛江消防署員の指導で消防団員らが砂や水、鋼板などを使って「積み土のう」「連結水のう」「鋼製かまつき」の3種の水防工法に加え、都市型災害に備え、住宅浸水防止工法を実施。積み土のう工法には、災害時支援ボランティアの女性隊員も袋に砂を詰めたり一輪車を使って運搬。狛江市防災会、女性防火の会などの市民は、土のうの代わりにポリタンク、プランター、ゴミ袋など家庭内にある身近な物にバケツリレーで水を入れて下水道などからあふれた水が住宅に浸水するのを防ぐ都市型工法を体験した。また、東京消防庁が開発した数秒で組み立てられるスプリング入りの大型の拡張テントも披露された。
参加者は、時折強く降る雨のなかで足下までぐっしょりになりながら、約2時間に及ぶ訓練に真剣に取り組んでいた。初参加した女性防火の会の吉江理江さんは、「体験で、災害からまもってくれる人の大変さや苦労がよくわかった。いざというときは、自分のことは自分でまもれるようにしたい」と話していた。