アメリカンフットボール社会人チームの頂点を目ざし、Xリーグ・ファイナル6(トーナメント)2回戦(準決勝戦)が、12月1日に横浜スタジアムと大阪市長居球技場で開かれ、富士通フロンティアーズと松下電工インパルスが決勝戦にコマを進めた。決勝戦「ジャパンエックスボウル」は12月17日19時からに東京ドームで開かれる。
写真(撮影:山本真人)=大活躍した富士通のベテランRB森本選手(20)
5年ぶりにファイナル6に進出した富士通フロンティアーズは、横浜スタジアムで昨シーズンの覇者・オンワードスカイラークス(ON-SKY)と対戦。序盤からリズムに乗った富士通がタッチダウンを重ね、後半追い上げるON-SKYを振り切り31対21で勝利した。
ON-SKYのキック・オフで始まった試合は、第1QにスタメンQB(クオーターバック)出原章洋(背番号18)の出すボールをWR(ワイドレシーバー)ブラッドブレナン(15)、米山晃嗣(80)が相手陣内深くに運び、4分39秒にベテランRB(ランニングバック)森本裕之(20)が残り1ヤードからタッチダウンを決めて先制。続くキックもK(キッカー)小山真(6)が決め試合のリズムをつかんだ。ON-SKYに攻撃権が移った後は、富士通のデフェンス陣が頑張り得点を許さず、11分50秒にK長谷樹(17)が34ヤードのTFP(トライフォーポイント)を決めて3点追加、波に乗った。第2Qではパスを多用するON-SKYの攻撃を富士通がタックルで止め、9分26秒にブラッドが22ヤードのタッチダウンランを決めて、前半を17対0で折り返した。
後半は、ON-SKYが昨年覇者の意地を見せて反撃。第3Qの7分55秒にRB伊藤義章(15)がタッチダウンして10点差に迫まり、ゲームの流れをかえる勢いで時間と使って攻め続けたが、富士通も11分03秒にRB千葉隆平(32)がタッチダウンして点差を戻した。第4Qの10分57秒には、富士通の千葉がこの日2本目のタッチダウンを決め勝利を引き寄せたが、ここからON-SKYが猛攻。日本代表のON-SKYQB富沢優一(13)が立て続けにパスを決め、12分35秒にWR井本圭宣(7)が、続く14分39秒にはWR大滝裕史(88)がタッチダウンを決めたが、時すでに遅くタイムアウト。
試合後、富士通の今井善教(21)キャプテンはスタンドの観客に「応援ありがとう。きょうは勝ててよかった。みんなでもう一回試合が出来るのがいちばんうれしい。決勝戦はぼくらも必死で戦うので、みんなもスタンドで一緒にたたかってほしい」とあいさつ(写真)。
ゲームの指揮を執る藤田智ヘッドコーチは「こんな展開になり、正直びっくりしています。リーグ戦が終わってからいつもより真剣に練習した成果で、選手に感謝したい。前半は思い通りのゲーム運びで満足しており、このリードがあったので勝てた。(後半の相手の追撃が)うちのまだ足りないところだと思う。決勝戦のことは、まだ考えられないが、頑張ります」と笑顔で話した。また嶋平監督も「最初の得点でリズムにのれ、守備陣がよくしのいでくれた」と選手を称えた。
1996年にXリーグがスタートしてから、富士通の決勝戦進出は2002年以来5年ぶり2度目。
一方、対戦相手となる松下電工は、長居球技場で2回の延長タイブレークの末、オービックシーガルスを29対26で下して決勝戦の切符をもぎ取った。決勝進出は2005年以来2年ぶり6回目。