狛江消防署管内で銭湯と高齢者グループホーム、町会が災害時応援協定を締結

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災害時は井戸水や風呂を使って——狛江消防署管内の銭湯、高齢者施設、町内会が9月6日に災害時相互応援協定を締結した。同署によると、東京消防庁管内で銭湯が災害時応援協定を結ぶのは初めてのケース。

写真(上から)=銭湯の浴室で応援協定関係者が記念写真、協定書を結んだ富の湯、和楽、狛江消防署、岩戸町会の役員(左から)、脱衣所で意見交換

070909ouennkyoutei01 協定を結んだのは、西野川4丁目の富の湯(冨永正俊さん経営)、富の湯の近所でデイサービスのほか9人単位の認知症のグループホームを3組運営する医療法人「心身会」の複合型介護施設「和楽」(大枝泰章理事長)、両者がエリア内にある小足立町会(冨永幸男会長、約1600所帯)の三者。
協定の内容は、それぞれの特徴を生かし(1)小足立町会はマンパワーを生かして和楽の避難誘導、救出救護、応急救護活動を行う(2)富の湯は和楽の避難誘導を行い、地域の被災者に対し地下水と風呂の提供、救護所としての支援活動を行う(3)看護師がいる和楽は、災害時に町会・富の湯のケガ人などに応急処置を行い、施設を緊急時の救護所として提供するとともに食料の支援を行うとなっている。
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狛江消防署は、福祉施設や病院など災害時に救護が必要な人が多くいる施設を地域ぐるみで支え合う「消防のふれあいネットワーク」づくりに熱心に取り組んでいる。1995年に岩戸南の東京多摩病院とニューライフ狛江管理組合・岩戸町会と初のネットワークの締結を結んで以来、これまで特別養護老人ホームなど4施設1団体が地域の町会、自治会、企業と協定を結んでいる。
2007年1月に長崎県で高齢者のグループホームで入居者7人が焼死した事故が起きたが、全国的にこうした事故が多いことから、中・小規模の施設でも同様の取り組みが必要と同署が働きかけ、協定が実現した。
この日は、富の湯の脱衣所に三者の代表と野村敏幸狛江消防署予防課長ら12人が集まり、協定の内容を記した文書に署名した。その後、小足立町会の冨永会長や婦人部の冨永悦子さんら町会役員5人が、心身会のスタッフ前田真之さんの案内で協定を結んだ和楽の施設を見て回った。