アメリカンフットボールワールドカップ2007川崎大会の第2ブロックの1回戦、韓国対ドイツ戦が川崎市川崎区の川崎球場で8日に行われ、ヨーロッパ屈指の強豪ドイツが、W杯初出場を果たした韓国をパワーで圧倒、WRの活躍などで32対2で初戦を飾った。
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試合は、第1クォーターにQBヨハイム・ウルリッヒ(背番号12)のパスを受けたWRマルク・ビーデンカップ(84)がタッチダウンしたのを皮切りに、WRマルセル・ドゥフトがタッチダウンを決めてリード。第2クウォーターでもセーフティ、フィールド・ゴールで追加点を重ね、前半は19対0とドイツのペース。
後半は第3クォーターに韓国がセーフティを奪ってW杯初得点したものの、第4クォーターにドイツがパスとラッシュで続けざまにタッチダウンを決めて快勝した。
アメフトW杯初出場の韓国は、日本人の茨木克治監督が韓国と在日韓国人から代表選手を選考して1年前から始動。この日に照準を合わせて練習を重ねてきたが、オフェンス、ディフェンスとも大型の選手をそろえるドイツの厚い壁に跳ね返されてランを止められず、担架で運ばれる姿が目立った。
バックスタンド側には、韓国のチームカラーのそろいの赤の上着や国旗を持った観客が詰めかけ、韓国選手の好プレーのたびに拍手で応援、大きな声をかけて熱心に応援していた。
勝利したドイツのウォルター・ロールフィング守備コーディネーターは「有名な茨木監督が組織力のあるチームに仕上げてくると思い、厳しい試合になると予想。攻撃的に戦い、ディフェンスもミスはありましたが、集中してよかったと思う」と分析、アンソニー・ドーミ(56・DL)ゲームキャプテンは「韓国代表は最後までファイテングスプリットを失わず闘ったことに敬意を表したい」と相手の健闘を称えた。
一方、茨城監督は「タフな対戦で、ランを止められなかったのが敗戦の原因。次のアメリカ戦に向けてチームを立て直します」と語った。ソ・チャンホ(83・WR)主将は「W杯本戦に出場できたことを栄光に感じる。在日選手とは文化的な違いはあったが目的が明確ですぐに一致団結できた。初得点は歴史的なことで、いけそうな雰囲気になったが、その後ミスで失点をひろげてしまった」と悔しそうな表情で話した。
韓国、ドイツとも次の相手はアメリカ、韓国は10日午後7時、ドイツ12日午後3時に川崎球場で対戦する。
ハーフタイムショーでは、川崎市消防音楽隊が演奏する「リバーダンス」「リストーデッド」などの曲に合わせ、カラーガード隊レッドウィングスが色とりどりの旗などを使った華やかな演技を披露、観客を楽しませた。
民俗・伝統芸能や食の祭典も人気
W杯を盛り上げようと、川崎球場駐車場ではワールドカップの出場6カ国にちなんだ民族・伝統芸能と食の祭典(川崎市総合企画局主催)が催され、観戦に訪れた人たちを楽しませた。
駐車場に設けられた大型のテントでは試合に先立って、日本の和楽会・「昇」による創作和太鼓の演奏、ドイツ人のヴェルフガング・ヘルツレさんの「ロザモンテ(ビア樽ポルカ)」「エーデルワイス」などのアコーディオン演奏、コリア文化サークル「パランセク」の韓国中部地方の伝統的な踊りプンムルなどが披露された。プンムルは4種の打楽器を演奏しながら、「サンモ」と呼ばれる帽子の長い白いリボンを首を回してひらめかせながら踊るというもの。川崎市ふれあい館で練習している在日や日本人のメンバーが披露したが、観客たちは見事な演技に感心しながら見入っていた。
また、クレープ、チェットブラー、フライドポテトなど6カ国のお国自慢の料理や川崎特産の食べ物の販売も行われ、人気を集めていた。
民族・伝統芸能の祭典は14日にも午後1時から6時30分まで、食の祭典は試合のある10日、12日、14日の午後1時から8時30分ごろまで催される。