Jリーグ・川崎が7試合ぶりに勝利:ロスタイムにジュニーニョが決勝弾

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Jリーグ折り返しの最初となる第18節の試合が6月30日に一斉に行われた。
6試合勝ち星から見放されていた川崎は、ホーム等々力競技場でヴィッセル神戸と対戦。先行したゲームを同点に追いつかれ、PKのビックチャンスを外して10人となった神戸から追加点が奪えず引き分け濃厚だったが、ロスタイムにFWジュニーニョが劇的なゴールを決めて勝ち越し、戦績を5位に引き上げた。競技場は長いトンエルから抜け出す鮮やかな勝利に、選手もサポーターも歓喜に沸きかえっていた。

写真=サポーターと握手するジュニーニョ選手

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川崎Fは、DF寺田周平が4試合ぶりに復帰、怪我のMFマギヌンの替わりに大橋正博が先発起用された以外はレギュラーメンバー。小雨で始まった試合は、前節の失点の反省からか慎重な立ち上がりだったが、9分にジュニーニョからのパスをゴール左に走り込んだ村上が正確に決めて先制した。しかし14分に神戸のFW近藤祐介にゴールを許すとゲームの流れが神戸に移り、新加入MF大久保嘉人らの突破と川崎Fのクリアミスでピンチを招き、再びゴールネットにボールを運ばれたがオフサイドの判定に救われ、川崎Fはようやく落ち着き取り戻して本来のリズムで神戸ゴールを襲うが、追加点を奪えず前半を終了。
後半は、川崎Fのリズムで攻撃を続けるものの神戸の堅い守りに阻まれフィニッシュに結び付かなかったが、MF中村憲剛が神戸DFエメルソンと交錯、エメルソン トーメの退場でPKを得ると、観客はイケイケムード。このPKをジュニーニョがゴールポストに当ててチャンスを逃すと、10人の神戸がカウンターで反撃するが川崎Fはゴールを守り、75分にFW我那覇和樹から鄭大世、大橋からMF原田拓に交代。86分には村上に替えFW黒津勝を投入して攻撃をかけるが、神戸の堅い守りを崩せずロスタイムに入った。負けられない川崎は集中力を切らさずさらに猛攻、残り時間があとわずかのところで鄭大世のシュートにジュニーニョが頭で併せて劇的なゴールを決めた。
試合終了の笛で、ジュニーニョは長い間ピッチに伏せて感謝を祈り、関塚隆監督は7試合ぶりの勝利にガッツポーズ。サポーターにあいさつするためバックスタンドに集まった選手はスタメン起用で交替しユニフォームを脱いだ村上も加わり、笑顔で談笑、ヒーローインタビューのジュニーニョを待ち、客席は久しぶりの勝利に酔いしれていた。
試合後の会見で関塚監督は「ホッとしました。中断前に勝てたことは大きいと思います。大分戦(12節/5月19日)に自分が退席するまでは非常にいい展開で、自分に責任がある」と笑顔で反省。「連戦で目に見えない(疲れ)で怪我人がでたり、イエローカードが一番多く、入れ替わりで戦った影響」と勝ち切れなかったことを分析し「苦しかったが、入って来た選手がいいパフォーマンスを見せてくれたので使えるメドが立った。ナビスコ、後半戦をらしい巻き返しで狙いたい」と話した。

観戦した阿部市長は「このところなかなか勝てず、お客さんはイライラがしていて、ジュニーニョのPKが外れてさらにイライラが募っていたが、休みに入る前、まるで相撲の千秋楽で勝ち越したみたいだった。ジュニーニョは(そんなことはないが)ロスタイムに勝つためにPKを外してお客さんを盛り上げた(ドラムの主人公の)ようで、すごい役者。これを弾みにナビスコでも上を目ざしてほしい」と冗談交じりの笑顔で話した。

 ○市制記念試合に川崎麻世さんが出演

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この日は、川崎市の市制記念日(7月1日)にちなみ「市制記念試合」としてさまざまなイベントが開かれた。試合開始直前に阿部市長が「市制マッチとして盛大な応援をお願いし、136万市民にアピールするような試合で盛り上げてもらいたい」とあいさつ。憲剛の友人のミュージシャン「スキマスイッチ」の常田真太郎さんが始球式を行った。
ハーフタイムには、タレントの川崎麻世さんが西城秀樹になりかわり「YMCAヤングマンショー」を務め、メインスタンドとバックスタンドでチアリーダーのフロンタールズや公募ダンサーとともに手振りを交えてヤングマンを歌った。このほか、バックスタンド側ASAキッズランドで、 17:00と17:45に第1回カワサキストリートミュージックバトルで優勝したバンド「ブロッサム」の演奏が行われた。
市制記念試合とは別に、16時からはJリーグ新人研修が実施され、新卒で入団した養父雄仁(背番号20)、薗田淳(背番号33)、杉浦恭平(背番号34)の3選手が参加、チケットもぎりやマッチデープログラムを販売、フェアプレイフラッグを持つこどもの練習などの裏方業務を手伝った。