高津区の旧岡家跡地に薬医門公園:17日から市民が日替わりで記念イベント

070312jpg川崎市高津区久本の旧・岡家の敷地跡が「久本薬医門公園」として整備され、17日にオープン。公園化を求めて構想段階から整備に関わった市民の手で17日から23日までの1週間間にわたり記念イベントが催される。

写真(イベント実行委員会提供)=改修前の薬医門

公園は、JR武蔵溝ノ口南口から徒歩5分の場所。岡家時代には、黒澤明監督の「赤ひげ」(1965年)の療養所のモデルとなるなど江戸時代の医者の面影を残した薬医門、蔵、枯山水の日本庭園が再整備された。
岡家は江戸時代から8代続いた医者の家で、6代目・重孝氏は医者のかたわら初代の高津村長も務め、地域の医療と村の発展に貢献。9代目当主の信孝さんは、母方の祖父・川端龍子に弟子入りした日本画家で1980年に川崎市文化賞を受賞、弟の左久良さんは高津が生んだ人間国宝・濱田庄司に師事、陶芸家として活躍している。
同公園は、1994年に都市計画道路の整備で当時の敷地約3分の1が道路となり、残った土地を川崎市土地開発公社が濱田庄司記念館などに利用する「文化施設用地」として買い上げ、母屋を取り壊した。その後、文化施設計画は立ち消えて、用地が放置され、日本庭園は荒れ果て、門も老朽化した。
そうした状況を見かねた市民が、「高津の歴史文化を後世に残して」と公園化の署名運動を展開、市も公園化へ方向転換した。2年前、公園化を進めてきた市民が参加するワークショップで公園化の構想を練り、(1)門はシンボルとして残す、(2)蔵は補修してギャラリーなどに利用、(3)枯山水の庭の復元などの整備案がまとまった。
イベントは、ワークショップに参加した市民らで実行委員会(伊中悦子委員長)を作り、区内のさまざまな団体・個人が参加して青空ステージと蔵でトーク、音楽演奏、ふろしき展示などユニークな催しが行われる。
問い合わせは電話044(861)3133高津区役所地域振興課。

  多彩なイベント

●青空ステージ
 17日 オープニングセレモニー=日本舞踊、式典(午前11時〜11時50分)
   市民ステージ=詩吟、民謡、津軽三味線、三線、トークと朗読「薬医門の歴史と文化」、高津温度などの踊り(正午〜午後2時)
 18日 陶芸(事前申し込み・締め切り終了)・竹細工のワークショップ、金管五重奏演奏(午前10時〜午後3時)
 19日 ふろしきの展示と結び方の手ほど(午前11時〜午後2時)
 20日 植木選定講座(午前11時〜正午)
 21日 アジアの歌と踊り(琉球舞踊、エイサー、スリランカの踊りなど)(午前11時〜午後2時30分)
●蔵ステージ
 17〜21日 ふろしき展、旧高津の地図・写真展示(午前11時〜午後2時)
 22日 こどもお話会〜蔵の中でむかし話をきこう(午前11時30分〜正午)
 23日 民話と花物語の読み聞かせ、「大山街道と、江戸見桜と、二ヶ領用水と」(午後1時30分〜2時)