「サクラと水が楽しめるお花見にいらっしゃい」と、川崎のサクラの名所、多摩区宿河原の二ヶ領用水のPR作戦を多摩区役所と地元の観光協会が行っている。川崎市内のJR南武線の川崎駅、登戸駅など主要8駅にポスターを掲示するほか、同線宿河原駅前に二ヶ領用水の見どころなどを紹介した周辺案内板(写真)を立てる。
宿河原の二ヶ領用水には延長約2kmにわたってソメイヨシノなど約450本のサクラが植えられ、シーズンには水の上にピンクの見事なアーチができる。1959年に植えられた200本の苗木を地元の人たちが丹精をこめて育ててきたもので、1974年に結成された宿河原堤桜保存会(伊藤弘会長、会員130人)をはじめ、二ヶ領用水宿河原堀を愛する会(関山武男会長、30人)などが、サクラの世話だけでなく、用水や周辺道路の清掃などを行ってきた。
さらに保存会では、多くの人に親しんでもらおうと毎年春に桜まつりを催しており、ことしで33回を数える。
ことしは4月1日午後1時から4時まで消防音楽隊、カラーガード隊、小中学生の鼓笛隊、おはやし、よさこい鳴子踊りなどがにぎやかに宿河原駅駅近くの用水をパレードするほか、人力車も走る。また、甘酒の無料サービスなども行われる。
二ヶ領用水せせらぎ館でも、NPO法人多摩川エコミュージアムが1時30分から4時まで桜の多摩川コンサートを催す。1部はJ&S陽だまりコンサートと題し「桜の多摩川」「さくらさくら」「花」などを、2部は「花よりタンゴ!情熱のタンゴ」と題して「タンゴ・レクエルド」「夢のタンゴ」「奥様お手をどうぞ」「ラ・クンパルシータ」などを演奏する。入場は無料。
用水には緑化センターやせせらぎ館などもあり、サクラをはじめ年間を通じて四季折々の花と水が楽しめる緑のオアシスにもっと多くの人に親しんでもらおうと多摩区役所と稲田多摩川観光協会、稲田堤観光協会などが協力して、花見の季節を前に積極的にPRに乗り出した。
宿河原駅前に設置された高さ90cm、幅120cmの周辺案内板には、駅周辺の案内地図に加えて、満開や若葉のサクラの写真と解説、用水にかかる18の橋や八幡下圦樋跡、五ケ村堀、碑などのスポットを写真で紹介したガイドマップを掲載、訪れた人に役立ててもらうことにした。
また、南武線の川崎駅、武蔵小杉駅などに「春色絶景」などのコピーと桜の写真を刷り込んだA1判のポスターを掲示、区外の人にも市北部の花の名所に来てと呼びかけている。
問い合わせは電話044-935-3131多摩区役所地域振興課。