母校の環境を整えようと2月4日、川崎市多摩区の生田中学(二村俊光校長、生徒数464人)で同窓生や教職員と現役中学生、PTAなど3世代の同窓生ら432人が参加して、校庭に生い茂った樹木の枝下ろしのボランティア活動を行った。
写真(上から)=クレーン2台で幹を伐採、ノコギリの使い方習う中学生、小枝をチョッパーで粉砕
今回で5回目となる作業は、午前9時過ぎに二村校長が「学校をきれいにするのは本来は生徒の仕事。きょうは卒業生が大勢の参加されるのでみんなできれいな環境をつくりましょう」とあいさつ。造園会社を経営する卒業生がクレーン車2台を提供し、高く伸びた校庭のヒマラヤスギやイチョウなどの枝落とし作業を開始。参加者は午前・午後と4班に分かれ、大きな幹や枝をチェンソーやノコギリで切り落とし、70cmほどのたきぎにした。部活の練習の合間に交代で参加した生徒は、父親よりも年上の先輩の手ほどきで落とされた枝をノコギリで切ったり、小枝を軽トラックに積み込む作業などに汗を流した。中庭ではゴミを減らして堆肥にするため葉のついた小枝をチョッパーで粉砕する作業も行われた。
同校は1947年、新制中学スタートと同時に開校した。当時は第二次世界大戦後の物不足で、生徒が他校から机を運び親も参加して校庭の地ならしをした歴史を持っており、昔の卒業生は学校への愛着がひときわ強い。
樹木の伐採ボランティアは、校庭の樹木が成長して教室に日が当たらなくなるなど樹木の手入れが行き届かない現状を見かね、同中学同窓会の笠原登会長らが同窓会活動の一環として行っているもの。2002年10月に校門付近の一部の樹木の枝下ろしを行ったのを手始めに、2004年1月から毎年冬場に造園業を営むOBらがクレーン車を使って校舎のまわりや道路に面する樹木の枝下ろしや幹を短く刈りこんでいる。そのかいあって校庭が明るくなり、冬場の霜解けも早くなったほか、在校生も作業に参加するようになってOBとの交流が深まっている。作業は昨年で終了することになっていたが、ことし開校60周年を迎えるため最後の仕上げとして例年以上に大がかりな枝下ろしを行った。
笠原会長は「ことしは生徒もたくさん参加して効率よくできた。秋に在校生との交流も予定しており、みんなで学校を大切にしたい」と話していた。
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