川崎市麻生区古沢の田んぼで11日、親子体験農業の田植えが行われ、小学生や親子連れたちが5時間がかりで約1200平方メートルの田にモチ米の苗を植えた。
田植えは、米作りの一連の作業を通し親子のきずなを深めながら都市農業を考えようと、麻生区魅力ある区づくり推進事業として農家の協力で小学生の親子を対象に毎年行われており、抽選になるほどの人気。ことしは91家族324人が参加した。
子ども会連合会、青少年指導委員会、体育指導員会の3団体で実行委員会(山崎優実行委員長)を結成し、同所・鈴木宏平さん方の水田や畑を借りて、委員が苗床つくりから種まき、田起こし、しろかきなどの裏方の作業を担当している。
田植えには約60家族250人のほか磯野俊男副区長も参加。区内で農業を営む井上清士さん、長瀬和徳さん、井上文治さん、鈴木満寿雄さんの指導で、近くの畑で育てた「おか苗」を摘み取ってたばね、12班に分かれて田んぼに入った。
小学生の兄弟についてきた就学前の幼児も多く、なかにはオムツのままの子もくわわり、子どもたちは親や祖父母と一緒に泥まみれになって小さな手で懸命に苗を植えていた。この日は曇天でときおり涼しい風が吹く田植え日和の上、昨年に続いて参加した家族も多く、作業は順調に進み、例年より30分余り早く植え終わった。
体験農業は、7月に草取り、8月に網掛けとかかしづくり、9月にかかしまつり、10月に稲刈り、11月に脱穀・もみすり、収穫祭のもちつきが行われる。
古沢地区にはまだ農地が残っているが、水田はこの親子体験会場と古沢会館近くの2カ所だけに減った。