カヌー教室に人気:秋の多摩川を快漕

04092402スポーツを通して多摩川の自然に親しんでもらおうと、初心者を対象としたカヌー教室が9月23日に川崎市中原区等々力の多摩川で開かれた。参加者たちは思うように進まないカヌーに悪戦苦闘しながらも「以前からやってみたかった。すごく楽しい」と熱心にパドルを操っていた。

この教室は川崎市教育委員会とNPO法人多摩川エコミュージアムが、新しい水のスポーツを市民に根づかせようと、とどろき水辺の楽校(菅田木一校長)の協力で、水量が豊富で流れが穏やかな同校の拠点で開いたもの。市主催の教室としては2001年、2003年に続き3回目で、毎回人気を集めている。
教室には、小学校5年生から70代までの44人が参加。東京女子体育大学から1人乗り、カナディアンなどいろいろなカヌーを借り、同大や多摩川エコミュージアムとリバーシップの会のメンバー約30人がパドルの使い方やカヌーの操り方を指導した。
大半の人が初体験とあって、やや緊張した面持ちでライフジャケットに身を包みカヌーに乗り込んだ。初めは思うようにまっすぐに進めず、左右に振れるカヌーにてこずっていたが、次第に慣れてコツをつかんだためか、気持ちよさそうに川の上流に進む姿も見られ、秋の多摩川の風情を水上から楽しんでいた。
麻生区片平から参加した小5の道祖原直弘君はびっしょりぬれた体で「初めてだったけど、自分でバランスが取れ、こげるようになった」と目を輝かしていた。
この日の最高齢参加者の宮前区馬絹の池谷喜一郎さん(73)は60代でカヌーを始めた経験者。「自前のカヌーを手放したので3年ぶりに乗ったが、きょうは風もおだやかで日差しが強くない絶好のカヌーびより。久しぶりに水の上を滑って気持ちがよかった」とニコニコ顔、「せっかく乗れるようになってもこうした機会は身近にないので、ぜひ気軽に乗れる場所を市内につくってほしい」と訴えていた。