狛江市の高橋市長が辞任を表明:セクハラ被害の職員4人が実名で抗議文

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記者会見する高橋市長(21日)

複数の女子職員に対するセクハラを追及されていた狛江市の高橋都彦市長(66)は5月22日夕、市役所で報道陣に対し辞任の意向を表明。被害を受けた女子職員4人が市長に対し抗議文を提出、これを受けて辞職を決断したもので、突然の辞意表明に市役所だけでなく各方面に衝撃が広がった。
高橋市長は明日午前に市役所で記者会見を開いて説明する予定。
同市では、3月の定例市議会で高橋市長のセクハラ問題が発覚、一貫して疑惑を否定する高橋市長に対し5月18日の幹部会議で水野穣副市長、石森準一参与から辞職を求められるという異常事態に陥っていた。

高橋市長は前日午後の記者会見でセクハラ疑惑を否定するとともに続投への意欲を表明、セクハラに関する報告書の調査を担当した水野副市長、石森参与の手法などに疑問を呈した。この日午前の庁議でもこの点を強調したが、水野副市長も調査の正当性を強調、溝は埋まらないまま。
こうした中で、市長からセクハラを受けた女子職員4人が連名で市長宛に「昨日の記者会見に対する抗議について」と題した抗議文を16時頃に提出した。これを受け、高橋市長は「被害者が実名で勇気を持って名乗り出たことを重く受け止めなければならない」と一転して辞任の意向を固めた。
石森参与は「事実を突きつけられた時点で(辞職を)決断していれば、2カ月半も混乱しないで済んだので、残念に思う。今後は水野副市長や各部長とともに市政を立て直していきたい」と厳しい表情で語った。
抗議文を提出した職員のひとりは「昨晩は怒りと悲しみでほとんど眠れなかった」、(辞職表明に対し)「やっとここまできたという思い」と話していた。
高橋市長は元都職員で2012年6月に初当選し、現在2期目。

「昨日の記者会見に対する抗議について」〈全文〉

3月議会からの一連の市長の発言に対して、今までずっと動向をうかがっておりましたが、昨日の記者会見での発言は,職員を守るべき立場の人の発言とは思えず、とても憤りを感じました。
勇気をふるって証言をした職員に対し、「思い込みが激しい」「トラブルを起こす」など、市長としての発言とはとても思えず耳を疑いました。どのようにしてその職員を特定し、その被害者に対してなぜそのような発言をされたのか理解に苦しみ、真摯に受け止めていらっしゃるとは思えません。

私たち4人が市長から以下のセクハラを受けたことは事実です。
・車内で手を握られたこと
・宴席でお尻を触られたこと
・市長の公用携帯電話から、仕事と関係のない不愉快なメールを送られたこと
・随行先で1時間に渡り、腰に手を回されたり、お尻を触られ続けたこと
・エレベーター内で腰を引き寄せられ、体をぴったりとつけられたこと、このような行為が1年にわたり続いたこと

私たちはその都度、副市長や職員課・相談員に相談しました。
働けなくなることを危惧して、穏便に事を済ませた職員もいますが、最近の市長の言動には怒りを禁じ得ないと憤っています。また被害を受けながら,声を上げていない職員もいます。
今までは沈黙していましたが、もう我慢できません。謝罪の言葉も口にされない市長の下では、私たちは一緒に働くことができません。

事実を明らかにし、被害を受けた職員に、まずは公に謝罪することを望みます。

平成30年5月22日

以下、4人の署名


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