FC町田ゼルビアが1月23日、町田市森野の町田市民ホールで2016年のチーム方針や新加入選手紹介、背番号、ユニフォーム、キャッチ・フレーズなどの新体制を発表し、約800人のサポーターを前にJ2定着を誓った。
写真(撮影 : 山本真人)=サポーターとともに記念写真
同クラブは、2011年からサポーターを招待して新体制を発表しており、会場にはレプリカユニフォームやチームグッズを身につけ、カメラを持った熱心なサポーターで熱気にあふれた。
発表会には、下平浩之社長、守屋実相談役らチーム首脳と相馬直樹新監督、コーチングスタッフ、全選手28人とスポンサーらが出席した。
はじめに下川社長が「長らくお待たせしました。4年ぶりにJ2に復帰できました。ことしは、しっかりと力を合わせ4年前のようなことがないようJ1を見据えて戦うことをお約束します」と力強く宣言した。
続いて来賓を代表して石阪丈一町田市副市長が「J2復帰おめでとうございます。一時だいぶ差をつけられましたがまだ9試合あるよとチームを励ましていましたところ、優勝こそできませんでしたが勝ち点では追いつき昇格し、粘り強く最後に底力が出ることを証明しました」と昨年の活躍を振り返り「開幕戦が優勝候補といわれるセレッソ大阪ですが、昨年9月のラグビーワールドカップでも南アフリカとの試合で日本は勝ちました。28日も勝ちます。一緒に応援しましょう」と市内のチーム「キアノン イーグルス」からも代表選手が出場したラグビー日本代表になぞらえ、熱いエールを送った。
丸山竜平強化部長が「相馬監督3年目になり、J2に舞台が変わりました。これまでの継続力を武器に新加入選手8人が加わり進化し、今まで通り同じ方向を向いてチーム一丸で戦うことが重要です。選手28名、スタッフ11名でのスタートです。我慢、忍耐が必要となるシーズンになると予想されるますが、せっかく戻れたJ2の舞台ですので気持ちのどこかで楽しむことを忘れずにチャレンジしていきたい。まず残留、J2に定着することに加え今後クラブの歩みがJ1に繋がっていく1年になると思います」とチームの方針を説明、昨年までザスパクサツ群馬の選手だった小林亮コーチが新たに加わったことも話した。
相馬直樹監督は、最後の昇格でJ2では22番目のチームとしてスタートすると前置きし「まずはJ2残留、我々の居場所がJ2にあるということを自分たちの力で作っていかなければいけません。昨年は厳しいなかでも頑張ってJ2をつかみ取ったが、さらなる厳しさを作り出して戦う必要があります。全て格上のチームとの戦いになるが、持てる力の全てをぶつけて最後まで戦い抜き、J2にふさわしいチームとしたい。その上でJ1を見据え、現場だけでなくクラブ、そして地域の皆さんと一緒に将来の昇格が見通せるようなシーズンにしたい」と決意を語った。
その後、新加入の有薗真吾、金聖基、畠中槙之輔、福田友也、矢澤達也、井上裕大、横山翔平、中島裕希の8選手を紹介した。各選手は「いい順位で終えるよう力を尽くします」など一言ずつあいさつした。
続いて守屋実相談役が今シーズンのキャッチフレーズ「+one to the next STANDARD」を発表(写真右下)。「ことしはクラブに関わる全てのスタンダードを上げることが何より大切。選手個々のスキル、フィジカル、メンタルのスタンダードを上げることが不可欠で、それをベースにチーム全体が一体感をもって戦うことが、一歩上に行くための唯一の道と信じています。またフロントとしては、入場者数を1試合平均5千人に、クラブハウスと専用練習場の確保や1万5千席のスタジアムなどの問題解決に向かい確かな歩みを進めていかなければなりません。2016年はそれぞれの立場の人間が『+one』の力を発揮し、J2に定着する土台を築きつつ、町田のサッカーを全国にアピールし、その先にあるJ1昇格を目指す上でのスタートの1年にしようという決意です」と説明した。
また新背番号と新ユニフォームが披露され、ホーム試合のゼルビーランドで飲食部門の出店が増えて寄り充実するなどの説明もあった。
オープニングには、玉川大学芸術学部太鼓チーム「演舞」のメンバーが太鼓を披露、拍手を集めた。
発表後の囲み取材で、昨季キャプテンだったMF李漢宰選手は「期待と不安があるが、期待の方が大きい。苦しい中でつかんだ舞台なので、泥臭くてもいいから執着心を見せつつ全員が熱い気持ちを出し、みんなでともに戦いたい」と引き締まった表情で話した。背番号の発表でサポーターから一番大きな拍手を贈られたレンタル返りのDF三木海選手は「目標にしているスペイン代表のDFセルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)にちなんで、4番を希望しました。クラブからはJ2のV・ファーレン長崎で出場した経験を生かしプレーで仲間を引っ張る立場にいると言われており、ことしこそ多くの試合にフルタイムで出て個人としてもいい結果を出したい。多くのサポーターから『おかえり』と温かく迎えてくれたことに恩返ししたいので、最低でも2得点、4アシストしたい」と目標を話した。
相馬監督は「まだ限界を決めずにスケールアップできる時期なので、止める・ける・より早く・賢くなどひとつひとつのベースを上げていくことで選手の能力を伸ばす努力をします。全てのチームが格上なので我慢することは多いと思われるが、こちらから仕掛けるような時間やゲームを増やし、粘り強く戦うことで勝利を増やしたい。開幕相手のセレッソはJ1でも戦える戦力の調ったチームだが、J2復帰最初の試合なので多くの来場者のなかで全員でチャレンジし、町田の力を見せたい」と話した。