J3リーグ第38節の第2日程の試合が11月15日行われ、FC町田ゼルビアはブラウブリッツ秋田とホームの町田市立陸上競技場で対戦、2対0で秋田を破りホーム最終戦を勝利で飾った。
前日に行われた首位レノファ山口対J22戦は山口がスコアレスドローだったため、町田は山口に勝ち点が並んだ。第2日程の3位AC長野パルセイロがSC相模原に負けたため、町田は最終節を待たず入れ替え戦に出場できる2位以内が確定し逆転優勝への望みをつないだ。
写真(撮影 : 山本真人、安永能美)=7分、李漢宰(#6)が先制
町田は前節引き分けて山口に勝ち点差2をつけられたが、前日の山口の結果で再び追いつくことが可能になり、選手だけでなくサポーターのモチベーションも高まった。
一方の山口は、第3クールに入って好調を維持しており現在8位だが、今季の町田との対戦は結果は1勝1敗で5分の成績を残している。
町田のホーム最終戦のため競技場には大勢のサポーターが来場、4,487人が観戦した。
町田は前節退場となったMF土岐田洸平(#10)と増田繁人(#15)に替わり、DF平智広(#4)とDF松下純土(#2)をスタメンを起用、4日前の天皇杯に出場したDFペ デウォン(#3)らがベンチ入りした。
試合は、立ち上がりから町田が積極的に攻め、7分にコーナーキックのこぼれ球をMF李漢宰(#6)が右足で押し込み先制点を決めた。やや堅さがみられた町田は、早い時間帯でのリードで緊張感もほぐれ秋田ゴールを何度も脅かしたが、秋田も盛り返して体を張った好守備で切る抜け、前半を1対0で折り返した。
後半、少しでも順位を上げたい秋田に攻められサイドネットにあたるピンチもあったが(写真右)、町田は落ち着いてしのいだ。その直後65分に町田は、李がボールを奪い松下からFW鈴木孝司(#9)へとパスをつなぐカウンター攻撃、孝司が走り込んできたMF鈴木崇文(#17)へスルーパスを出して崇文が貴重な追加点を決めた。
町田はさらに点差を広げようと、74分にMF重松健太郎(#38)からFW中村祐也(#11)、82分には松下からペ、88分にFW戸島章(#23)からFW久木野聡(#38)、90分には崇文からMF遠藤敬佑(#8)を出す総力戦で戦い、完封で勝利した。
試合後、ピッチで恒例のホーム最終戦セレモニーが行われ、キャプテンの李選手が「ここに来て勝ちきることができたのも最後の一押しをサポーターの皆様がくれたからです。残り一戦、自分たちで優勝を目指し最後まで諦めることなく闘います。よろしくお願いします」と挨拶。相馬直樹監督は「ホーム最終戦、我々の応援に来ていただきありがとうございます。きょうだけでなくアウェイ、ホームたくさんの声援をいただきき、そのお陰で最終節に優勝争いできる状態にいます。本当に皆さんのお陰でありがとうございます。あとひとつ、皆さんと一緒にてっぺんに登りたいと思います」と力強く語った(写真右中)。
最後に下川浩之社長が「今日は14時からの試合で、隣で相模原と長野の試合が13時から試合をスタートし前半2対0で相模原がリードしているのを知っていましたが、自分たちが勝って追い詰めていくそこだけに集中して今日の試合に勝つことができました。最終戦アウェイの長野に出向いて(山口と)どちらかが優勝という形になると思いますが、ぜひ長野に駆けつけて皆さんの力を最後にまた貸してください」と深くお辞儀をして締めくくった。その後、所属選手全員と監督、コーチらがピッチを半周、ゴール裏でサポーターとともに記念撮影した。
また、試合前には競技場外のゼルビーランドで来季のユニフォームの基本デザインを発表、ユースの選手が新ユニフォームのお披露目をした(写真右下)。
J2への自動昇格は優勝の場合のみで、2位はJ2の21位チームとホーム&アウェイの入れ替え戦となる。
最終節は11月23日13時から長野市の南長野運動公園総合球技場でAC長野パルセイロと対戦する。町田の逆転優勝は、首位山口との得失点差が大きいため、町田が勝利して山口が引き分け以下の場合と他力だが、J3の先輩として昨年の悔しさから一時は12点あった勝ち点差をつめて並んだ底力を見せつける期待は高まっている。