J3・FC町田ゼルビアがJ-22に1対0 : リオ五輪日本代表メンバーに完封勝ち

150923zelva 01明治安田生命J3第30節の6試合が9月23日各地で行われ、FC町田ゼルビアは町田市野津田の町田市立陸上競技場でJリーグアンダー22と対戦した。町田は、リオディジャネイロオリンピックの日本代表候補らで構成されたJ-22を1対0で下し、3試合ぶりに勝利した。今節1位のレノファ山口が敗れたため、勝点差が6に縮まった。

写真=72分、町田のFW戸島章がヘディングで先制

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前半、ボールを競り合う町田MF森村昂太(#29)とJ-22MF大島僚太(#7)=撮影 :山本真人

この試合はリオ五輪のためのJ-22の強化試合と位置づけられ、U22の手倉森誠代表監督がコーチとして実質的な指揮を取った(写真右)。16人のメンバーのうち15人がJ1から選ばれており、J-22初出場でキャプテンマークを付けたMF大島僚太(川崎フロンターレ)のほか各チームでレギュラーやサブメンバーとして活躍している選手もいる手強い相手だ。
150923zelva 06町田は、3日前の山口との首位攻防戦で敗戦、昇格のためには負けられない状況が続いており、選手の気力と体力回復がカギとなる。
この日は他チームのユニフォーム着用者の無料招待などのイベントを実施、競技場にはJ-22の選手を応援する横断幕なども張り出され、
有料入場者だけでも5,873人が入場、熱い応援を繰り広げた。
150923zelva 04試合は、互いに相手の出方をうかがう様相で始まり、次第に町田ペースとなるがJ-22も球際に厳しい守備で町田のチャンスをつみとった。立ち上がりは連携がいまひとつだったJ-22は、次第に攻撃の形を作り始め町田のゴールをおびやかしたが(写真左下、撮影 : 山本真人)、互いに決め手を欠き前半を0対0で折り返した。
J-22はハーフタイムで選手を4人交代、システムを3バック変更した。しばらくは攻守の切り替えが早い一進一退の状態だったが、徐々に町田ペーストなり、72分にコーナーキックのチャンスから191cmのFW戸島章(#23)がヘディングで先制ゴールを奪った。

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72分、ゴールに喜ぶ町田イレブン

町田は、84分に好守の活躍で疲れの見えるMF鈴木崇文(#17)を下げMF土岐田洸平(#10)を投入、88分にチャンスを多く作り出したMF重松健太郎(#39)と戸島を下げてDF平智広(#4)を送り出した。町田は最後まで全員が試合に集中、終盤の昇格争い中でJ3の意地を見せ勝利をもぎ取った。
試合後の会見で町田の相馬直樹監督は「前節の山口との天王山で敗戦し、中2日で精神的に回復しファイティングポーズを取ることができるかが勝負を分けると思っていました。選手たちは思うようにいかない中でも、チームとして
一つになって戦ってくれて勝ち切ることができうれしく思い、後押ししてくれたサポーターの方々に感謝したいと思う」と話した。また、山口が負けて勝点差が縮まった事に対して「残り8ゲームとなりますが、追いかける立場でどれだけ勝って勝点を積み重ねられ山口にプレッシャーをかけられるか、それだけでしかないと思います。今の状況を見つめつつ、選手たちと一緒にことが起こることを信じて頑張っていきたい」と改めて闘志を語った。

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試合後、選手スタート時の相馬直樹監督から励ましを受ける大島僚太

一方、J-22の高畠勉監督は「リオ五輪の強化試合の一環となりました。町田のわれわれに対するすごく気迫の入ったプレーがあり、なかなか力を発揮できませんでしたが、こういう苦しいゲームを、真剣勝負の場でJ-22のチームとしてU-22代表候補メンバーが経験できたことは貴重な経験となりました。悔しい思いを糧に最終予選に良い準備で臨んでほしいと思っています」と話した。指揮を執った手倉森監督は「負けたという事実をしっかり受け止めないといけないと、選手たちに話した。相手のJ2昇格への思いが勝った。五輪最終予選の組み合わせが決まって初めての強化試合でもあったが、攻撃で相手をなかなか破れず、リスクを冒せなかった。コンビネーションや精度を高めて、個人とグループも含めて残り3ヵ月、点を取れるチームにしていかないといけない」と振り返った。
町田は32節が試合がなく、次のホームゲームは33節で10月11日16時からカターレ富山と対戦する。