狛江市の夏の名物行事「狛江古代カップ第25回多摩川いかだレース」(いかだレース実行委員会主催)が7月19日に催され、市内や多摩川流域などからいかだ89艇が参加、趣向をこらした手作りのいかだで川を下った。この日は台風11号の影響で川が増水、流れも速かったため、グループごとに数艇ずつスタートする従来の方式が難しいと判断、初めて1艇ずつスタートする方式に急きょ改めた。レースは大きな混乱もなく、参加者たちは梅雨明けの夏空の下で川下りを楽しんでいた。レースの結果は、いかだのできばえやアイデアを競う企画部門の最優秀企画賞に狛江六小いかだファイターズZ、タイムレース部門ではハートフルおやじファミリー号が昨年の記録を大きく上回る7分35秒で2連覇を達成した。
写真=最優秀企画賞を受賞した狛江六小いかだファイターズZ
多摩川に親しみ、他の地域の人と交流しようと催されているもので、狛江市をはじめ、多摩川流域の調布市川崎市、山梨県小菅村のほか、新潟県長岡市、南アルプスなど遠方からも多くのチームが参加する多摩川流域最大規模のいかだレース。ことしは昨年より9艇多い89チームがエントリーした。
今回は、台風11号の影響で15日頃から多摩川の水位が高まり、流れも速くて開催が危ぶまれた。前日の準備の段階になっても、水位は少し下がったものの流れが速いため、川に渡したロープにつかまって一斉にスタートする方式が難しく、レース当日の朝に一艇ずつ順番にスタートする方式に切り替えた。それでも急な流れのために転覆するいかだも数艇見られた。スタート地点にもうけられた本部前ではシャボン玉を飛ばしたり、いかだで引いたサッカーゴールにボールをシュートしたり、プロレスの演技をしたりといったパフォーマンスを披露するチームもあり、岸辺の見物客から笑いや拍手が送られていた。
増水の影響でこれまでとは川の流れが変わったこともあり、参加したいかだは最適なコースを見つけるのに苦労したものの、梅雨明けの強い日差しの下で力漕していた。
タイム部門では、ハートフルおやじファミリー号(写真右)が昨年の自身の優勝タイム10分6秒を2分31秒も上回る7分35秒で昨年に続いて2連覇を達成。メンバーは「川の流れが変わり、最適なコースをつかむのが難しかった。2連覇ができたことで実力が証明できうれしい」と喜んでいた。
昨年V13を逃したチーム・ラフティーは2位に食い込んだものの、リベンジはならなかった。また、増水で流れが早かったこともあり上位7チームが昨年の優勝タイムを上回るなど好記録が続出、完走したいかだのすべてが30分以内にゴールにたどり着いた。
企画部門は、狛江市の市制施行45年にちなんで大きな45の数字と、市のスローガンの「水と緑のまち」をデザインし、市の歌「水と緑のまち」を演奏しながら川を下ったた狛江六小いかだファイターズZが最優秀企画賞を受賞。メンバーは「子どもたちのアイデアをおとなも手伝って6月から製作した。優勝するのが夢だったのですごくうれしい」と大喜びしていた。
表彰式が行われた多摩川緑地公園グランドでは、特産の枝豆を提供するビアガーデン、産直野菜の直売、和泉スイングオーケストラのジャズ演奏などが行われ、人気を集めていた。
●いかだレースの結果
レース部門
▽一般=優勝 ハートフルおやじファミリー号(7分35秒)、2位 チーム・ラフティー(8分11秒)、3位 鶴見川育成会(8分29秒)
▽レディース・ジュニア=優勝 狛江六小おやじーず(10分38秒)、2位 狛六ファイターズ(12分17秒)、3位 ボーイスカウト狛江第1団カブ隊2号丸(12分35秒)
▽学生=優勝 ボーイスカウト狛江第1団ベンチャー隊(13分48秒)
企画部門
最優秀賞=狛江六小いかだファイターズZ、優秀企画賞=狛江六小いかだファイターズB、企画賞=狛江市商工会、絹山不動産株式会社本店・RITA HOME’s号、駄倉町会青年部、東京土建多摩西部支部青年部、多摩源流2号、審査員特別賞=かわぐち游川の会、調布警察署、狛江FIRE FIGHTERS、狛江消防署長賞=多摩源流1号、多摩川流域10自治体交流イベントラリー、調布警察署長賞=みずほ銀行狛江支店 好きやねん狛江!、美しい多摩川フォーラム、多摩区観光協会賞=カンティプール号