Jリーグの開幕を前に2月21日午後、港区のホテルで報道関係者などに今季のリーグの考え方などを披露する「Jリーグキックオフカンファレンス」が開かれ、J1、J2と、新たに創設されたJ3の全51チームの監督と選手が大集合、優勝や昇格への決意を新たにしていた。
写真=挨拶する村井満JリーグチェアマンとJ1選手
グランドプリンスホテル新高輪で行われたカンファレンスは、村井満チェアマンの挨拶と選手の記念写真、各クラブのプレゼンテーションの2部形式で開かれた。
舞台付きの広間で行われた一部は、1月31日にチェアマンに就任した村井氏が「今年6月に20回目となる2014FIFAワールドカップブラジル大会が行われ、日本代表は5大会連続5度目の出場をする。今年はJ3リーグをスタートさせ、J1、J2も合わせて北海道から沖縄まで36都道府県、51クラブとなり、確実にその活動を拡大している。Jリーグの全クラブが地域コミュニティーの中で、かけがえのない存在として、勝敗を超越して愛される存在となることを目指す。
笛が鳴るまで全力でプレーする、リスタートを早くする、時間稼ぎのような交替はやめるという3つの約束を各チームの社長、監督、選手にしてもらった。Jリーグは観客が減少傾向にあるが、まだスタジアムに足を運んでいない人が来場するようになれば新たな可能性がある。また、今年頑張ってほしいのはAFCチャンピオンズリーグ。出場4チームのいずれかがアジアのチャンピオンを取ってほしいと思っている。そして、ワールドカップで世界の強豪と互して戦い、日本のJリーグが、真にアジアのチャンピオンであることを世界に示してほしい」などと今年の取り組みを紹介した。
その後、川崎フロンターレのMF中村憲剛、FC東京のGK権田修一、FC町田ゼルビアのDF平智広ら各チーム代表選手が登場して開幕戦の相手と握手、司会を務めた松木安太郎さんが四国初のJ1チームとなった徳島などに今年の抱負などについてインタビュー、51クラブの監督が登壇して記念撮影などを行った。
別室で行われた二部は、開幕戦の対戦相手同士で隣り合わせのブースを設置。各クラブは、イヤーブックや資料を置いてクラブと地域をPRし、監督と選手が報道各社の取材に応じていた。
川崎の中村選手はAFCチャンピオンリーグについて「2010年以来4年ぶりの出場。昨シーズン途中には(出場は)全く考えられなかったが、最終戦で勝ち取った大会で、チームとして成長できる貴重なチャンスなので、いまのフロンターレでどれだけできるか楽しみ。経験者は少なくなったので、今年になってからチームメイトに折りにふれ、サッカーの質が違うことや(特にアウェーでは)何が起きるのかわからないので平常心で戦うことなどを伝えている」と話し、「昨年より安定感があり、技術にこだわってやっている。(風間監督になって)3年目の勝負の年なので、タイトル取りはやるしかない。20代前半の頃は、今の年齢までサッカーを続けることが想像できなかったが、30代になってサッカーがよりおもしろくなり、自分のできることがまだあることを知ったのでそれを出していきたい。ソチ五輪を見ていてジャンプ銀メダルの葛西選手に勇気をもらった。ケガさえしなければいいパフォーマンスができる」と心身ともに充実していることをアピール、開幕の神戸戦については「昇格組と言われるが、(マルキーニョスなど)気になる選手も入ってチーム力が上がっているので、簡単ではないが、勝って開幕ダッシュに乗りたい」と話した。
対戦相手の神戸DF相馬崇人選手は「実家もある出身地の川崎との対戦は楽しみで負けたくない。大久保嘉人選手とレナト選手は絶対止めたい。(自分が育った南百合丘サッカークラブの)後輩や関係者はぜひ見に来てほしい」と笑顔で話していた。
川崎のJリーグ開幕戦は3月2日13時から等々力競技場で神戸と対戦する。その前に、2月26日19時から等々力競技場でACLグループステージ第1節で2年連続ACLに出場している貴州人和(中国)と対戦する。
FC町田ゼルビアの相馬直樹監督は「雪で練習場の確保などチームスタッフが大変だったが、まだ2週間あるので、これからもっとチーム力を高めていきたい。選手全員が積極的に練習に取り組んでおり、だれを使ってもやってくれると感じている」と仕上がりの順調さを話した。入団2年目で背番号が19番から4番に変わった平選手は「監督の目指すサッカーが浸透してチームが一体となってきたのが強み。J2昇格が目標だが、個人的にはポジションがベテランの深津選手と同じなので、1試合でも多く出場し、無失点で勝利することを目指している」とスタメン起用での活躍をアピールした。
町田の開幕戦は3月9日13時から町田市立陸上競技場で藤枝MYSCと対戦する。