アメリカンフットボールの日本一を決める第67回ライスボウルが1月3日、東京ドームで行われ、社会人代表のオービックシーガルスが学生代表の関西学院大学ファイターズを34対16で破り、大会史上初の4連覇を達成するとともに、通算7回目と最多優勝記録を更新した。3年連続の顔合わせとなった関学大は3度目の正直をねらったが涙を飲み、社会人の5連勝で対戦成績は19勝12敗となった。最優秀選手には、この日2本のタッチダウン(TD)を決めたオービックのランニングバック(RB)原卓門#32が選ばれた。
写真=RB原が勝ち越しのTD(写真:山本真人)
東京ドームのスタンドには多くの観客で埋まり、開始前から応援合戦をくり広げた。
試合はオービックが第1クォーター(Q)3分46秒にクォーターバック(QB)菅原俊#6のパスを受けたワイドレシーバー(WR)萩山竜馬#85がTDを奪い先制した。これに対し関学大も1分後の4分46秒にRB鷺野聡#28がエンドゾーンに走り込んでTDを決めて試合を振り出しに戻し、7対7で第1Qで終えた。
しかし、第2Qに入ると6分17秒にオービックのRB原が勝ち越しのTDを決め、さらに前半終了間際の14分55秒にキッカー(K)金親洋介#1が25ヤードのフィールドゴールを決め、前半を17対10で折り返した。
後半の第3Qに入ってもオービックはディフェンスが粘り強さと勝負強さを発揮、トリックプレーにも素早く反応、QBサックやインターセプトを決めるなど関学大のオフェンスに思うような攻撃をさせず、ゲームの主導権を握った。4分52秒に関学大のK三輪隼也#12にFGを与えたものの、8分19秒にはRB原がこの日2本目のTDを決めて21対10とリードを広げた。
第4Q開始早々の0分2秒にQB菅原が自らエンドゾーンに飛び込んでTDを奪い、勝利を決定づけ、さらに11分14秒にはK金親がだめ押しのFGを決めた。これに対し、関学大は13分41秒にQB斉藤圭#11からのTDパスをWR梅本裕之#9がキャッチ、意地を見せたものの試合終了。オービックの強さとそつのなさが際立った試合だった。
試合が終わると、オービック側のスタンドは、未踏の4連覇を達成した選手たちに盛んな拍手が送られるとともに大きな歓声に包まれていた。