第92回全国高等学校サッカー選手権大会に神奈川県代表として出場する桐光学園サッカー部の部員が12月4日午後に地元の麻生区役所で開かれた激励会に出席、大会での活躍を誓った。
「地元ぐるみで選手たちを励まそう」と同区役所が催したもので、多田昭彦区長と中山茂・川崎フロンターレ麻生アシストクラブ会長から記念品が、区職員からは 「国立で勝つ」「感動を麻生へ」など勝利に向けて寄せ書きした応援用の檄布(げきふ)が贈られた。
写真=麻生区役所で贈られた檄布をひろげて記念撮影する桐光学園高等学校サッカー部員ら
激励会では、桐光学園の小塚良雄理事長が「いつも熱い応援をありがとうございます。元日本代表の中村俊介らを育てた佐熊裕和監督がS級ライセンス を取得し(中国のプロサッカーチーム監督になるのを)温かく送り出した。ことしは新たなスタートの年と位置づけていたが、チーム全員が病気で亡くなった仲間への思いを込め、市民、区民が一体となって応援してくれたおかげで県予選は安定して戦えた。いつも温かな応援をしてくれる麻生区に優勝旗を持ち帰りたい」と語った。
鈴木勝大監督が「今季粘り強く取り組んできた成果が大会の県予選で実った。これまで準優勝、3位にはなったが、一番高い景色は見たことがないので、そこをめざしたい。市内出身の選手が少ないので、これからは地元の子も育成したい。応援をよろしくお願いします」と挨拶(写真右)、選手を紹介した。長津大裕キャプテン(3年)が「昨年はベスト4だったので、神奈川県初の優勝を狙いたい」(写真左下)と意欲をみなぎらせていた。
これに対し多田区長は「国立競技場がオリンピックのために建て替えられるので、現況最後の大会で優勝し、長く歴史にとどめてほしい。ベストを尽くせば結果はついてくると思うので、私たちも応援をがんばります」と激励した。
同高は、昨年の同大会で優勝が期待されものの準決勝で破れ3位に終わった。
1986年からサッカー部の監督を務め、元日本代表の中村俊輔選手をは じめ多くの選手を育てた佐熊監督が今春学校を去った。後任の監督に、同高卒業生で中村選手の1年先輩にあたりJリーグでも活躍した鈴木さんが就任した。Jリーグの下部組織も加わる高円宮杯U-18サッカーリーグ プレミアリーグにも所属するなど、レベルアップをめざしている。夏の高校総体では県予選の準々決勝で敗退した。この間、レギュラーメンバーの1人が病死する不幸なできごともあったが、 「天国に旅立ったチームメイトを国立に連れて行こう」と高校選手権大会の県予選では亡くなったチームメイトのユニフォームをベンチに飾るなど、勝利への意欲を燃やし全国大会の切符をもぎ取った。