ナビスコカップ準決勝第2試合の2試合が10月12日に行われ、第1試合を勝利した川崎フロンターレは、敵地の埼玉スタジアムで浦和レッズと対戦した。浦和の猛攻にさらされた川崎は、GK杉山力裕(#1)のファインセーブなどでしのいでいたが、80分に浦和FW興梠慎三(#30)にゴールを許し0対1で破れた。合計得点は3対3の同点だったが、アウェイゴールの差で浦和レッズが決勝に進出、川崎は涙をのんだ。もう1試合は横浜マリノスが柏レイソルを2対0で下したものの、ゴール数で上回る柏が決勝進出を決めた。11月2日国立競技場の決勝戦は、浦和レッズ対柏レイソルの組み合わせで行われる。
写真=80分、浦和のゴールに喜ぶサポーターと選手
第1試合に3対2で逆転勝利した川崎は、引き分け以上で決勝進出が決まる。悲願のタイトル取りに一番近い試合を自慢の攻撃力で相手を下して、2009年以来の晴れ舞台に立ちたいところ。
一方、リーグ戦も含め同じ相手に3連敗したくない浦和は、第1試合のアウェイゴール2本を生かして決勝進出をめざした。
試合は、勝つしかない浦和が立ち上がりから攻勢に出て何度も得点のチャンスを作るが、杉山の好セーブとDFジェシ#(5)を中心としたDF陣が防いだ。ボールを浦和に支配された川崎は、少ないチャンスでゴールを狙うが、フィニッシュの精度がいまひとつで得点が奪えず、前半を0対0で折り返した。
川崎は後半、腰痛のMF中村憲剛(#14)に代えMF森谷賢太郎が出場。浦和の攻撃に対応する時間帯が多く、杉山のセーブとDF陣がしのだ。ハードワークで川崎の攻撃の芽を摘み、マイボールにしていた浦和は、67分にMF梅崎司(#7)、69分にMFマルシオ リシャルディス(#10)を投入、さらに79分にはMF関口訓充(#11)がピッチに入り、攻撃に厚みを加えた。浦和はこの交代が功を奏し、80分に関口からのパスを受けた興梠がダイレクトでゴールを決めて先制した。
同点に追いつきたい川崎は、83分にFW矢島卓郎(#9)、90+2分にはアラン ピニェイロ(#18)を投入したが、ゴールを割れることができなかった。
川崎は、試合終了の笛に選手はピッチに座り込み、サポーターへの挨拶で悔し涙を浮かべる選手もいた。初のタイトルを夢見て応援に駆けつけた川崎側の客席は、しばらく放心状態の観客も多かったが、悔しさを抑え「天皇杯で頑張れ」「ACLを目指せ」と次の試合に向け温かい声援を送っていた。
川崎の次のホーム試合は天皇杯3回戦で、16日19時に東京ヴェルディと対戦する。