川崎市麻生区で10月21日に禅寺丸柿サミット:日本最古の甘柿にスポット、実やワインの販売も

川崎市麻生区ゆかりのカキにちなんだ禅寺丸柿サミット(禅寺丸柿サミット実行委員会主催)が10月21日10時から18時まで川崎市麻生区の新百合ヶ丘21ビルホールで開かれる。日本最初の甘柿といわれる禅寺丸は約800年前に同区で発見され、「柿生」の地名のルーツとなったカキで、地域の発展に果たした役割などを見直そうと初めて開催される。会場では基調講演や禅寺丸にちなんだ食べ物の販売などを行う。


禅寺丸は江戸時代から出荷が始まり、明治、大正、昭和初めにかけて出荷が増え、地域経済を支えてきた。しかし、1970年代に入ると他の品種に押され市場で見かけることが減り、都市化が進んだ原産地の麻生区でも熱心に生産する農家が少なくなった。
こうした現状を憂慮した柿生地区の生産農家などが1995年に「柿生禅寺丸保存会」を結成、地域の「宝」禅寺丸を見直そうとワインの生産などに成功、発祥の地に記念碑を立てるなどさまざまな取り組みを行ってきた。こうした活動が実り、2007年には国の登録記念物に指定された。
また、同区は区制30周年にあたることし7月に禅寺丸柿を区の木に選定した。
サミットは麻生区制30周年記念事業のひとつとして、地域の大切な資産を後世に伝えるために催される。

サミットでは、13時から、カキについての著書などがある岐阜女子大学非常勤講師の今井敬潤さんが、禅寺丸柿の歴史的意義などについて基調講演をした後、柿生禅寺丸柿保存会の初代会長宮野薫さんのほかJA職員、伊勢原市などの柿の生産者らが参加してシンポジウムを催す。
会場では、禅寺丸に関する写真や資料の展示のほか、区内の画家や子どもが描いた絵画の展示、禅寺丸柿、禅寺丸ワイン、柿を使った菓子などの物産展と苗木の予約販売なども開かれる。
サミットの実行委員長で、長年、禅寺丸柿の歴史的な意義を訴え、保全に務めてきた中山茂さんは「これまでの活動の集大成として、禅寺丸柿を愛する人たちとサミットを開くことにした。禅寺丸が地域に果たしてきたことを次の世代に伝え、麻生区の多くの人に禅寺丸を大切に思ってもらえればうれしい」と話している。
基調講演とシンポジウムは、当日先着30人まで参加可能。その他の催しは入場無料で参加自由。
問い合わせは電話044-965-5118麻生区役所地域振興課内 禅寺丸柿サミット実行委員会。