川崎市多摩川梨・ぶどう品評会:「大きくて甘いよ」川崎特産の秋の味

110907nashi02 川崎特産の秋の味−ナシとブドウの出来を審査する「川崎市梨・ぶどう品評会」(川崎市・セレサ川崎農業協同組合主催)が9月7日午前10時から多摩区菅仙谷3-17-1の農業技術支援センターで催された。専門家による審査の結果、宮前区野川の川名徹さんのナシ・豊水(無袋)が神奈川県知事賞に選ばれたほか、優秀賞などナシ、ブドウ合わせて32点が決まった。主催者によると、ことしのナシは、春の開花時期の低温と梅雨の少雨の影響で生育が5日から7日程度遅れたものの、日照に恵まれ、雨も適度に降ったため、大きくて甘いという。

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写真=多摩川ナシの審査

110907nashi01 この品評会は、栽培技術の向上と消費拡大をはかり、生産の安定に役立てようと、毎年開いているもの。品評会は前期と後期に分けて行われ、前期は8月24日に幸水を中心に麻生区黒川のセレサモスで催された。
この日の品評会は後期で、この時期の代表的な品種の豊水に加え、あきづき、二十世紀など8種101点のナシと、巨峰、藤稔、ピオーネの3種8点のブドウが出品された。
110907nashi03 審査には、審査長の山田良雄・神奈川県農業技術センター横浜川崎地区事務所長など5人があたり、会場いっぱいに並んだナシやブドウをひとつずつていねいにチェックした。大きさや形、重さ、色、糖度、果肉の質などについて審査したが、1箱10個が対象となるため、すべての粒がそろっている必要があり、この条件をクリアーするのは応募する農家にとっては難しいという。約2時間に及ぶ審査の結果、優秀・優良・佳良の入賞を決め、「県知事賞」などの特別賞が選ばれた。
110907nashi04 センターによると、現在、川崎市内では多摩区のほか、高津区、宮前区、麻生区など132戸の農家がナシの栽培をしている。最盛期に比べれば減ったものの、若い後継者の意欲は高く、質の高い多摩川ナシの生産が続けられているという。また、福島第一原子力発電所の原発事故の影響を考慮して市内3地点で実を採取して放射性物質のチェックを行ったが、検出されなかった。このため、「安心して、おいしい多摩川ナシを味わってください」と同センターや農協などの関係者は呼びかけている。なお、ことしのナシの価格はほぼ例年並みという。
出品されたナシとブドウは午後1時30分から一般公開、2時30分から即売された。選りすぐりのナシとブドウが安く買えるため例年、市民の人気が高く、昼ごろには販売を待つ数十人の列ができるほどだった。