交通事故の怖さ知ってとスタントマンが事故を再現 : 川崎市多摩区の向の岡工業高校で交通安全教室

100922sutanto 4 川崎市多摩区堰の神奈川県立向の岡工業高校(林康弘校長・生徒数652人)で9月22日、スタントマンが左折トラックの自転車巻き込みなどの事故を再現する交通安全教室が開かれ、参加した生徒や近所の市民は目の前で繰り広げられる事故の生々しい衝撃や恐ろしさを肌で感じていた。


100922sutanto 2「スケアード・ストレート(恐怖を直視させる)方式」と呼ばれるこの教室は、事故の恐怖を実感することにより危険行為を未然に防ぐ教育方法で、最近、全国各地の交通安全運動などで取り入れられている。
同校は、今年度から始まった県教育委員会の「みんなの交通安全教育推進運動『スタートかながわ』」のモデル校になっており、9月21日から始まった秋の交通安全週間に多摩区役所と多摩警察署の主催で実施された。
100922sutanto 1 午前11時から同校グラウンドで行われた教室には、生徒と近所の人など630人が参加。テレビドラマや映画などで活躍する狛江市の有限会社「スーパー ドライバーズ」のスタントマン6人が、時速40kmの車が止まっている自転車に衝突したり、手放し運転や2人乗りなど違反自転車の衝突と転倒、左折するトラックが自転車に衝突、傘差し自転車同士の衝突など、通学中にも遭遇しそうな7つパターンの事故を、迫真迫る演技で再現した。各演技の後には、解説をしながら同校生徒も参加して交通ルールの模範演技を行った。
見学した生徒たちは、ダミー人形や人間が車のボンネットに跳ね上がって地面にたたきつけられたり、トラックに自転車が巻き込まれる様子を見て、「コミカルに演じていたけど、もしあそこにいたら助からない」と驚いていた。
100922sutanto8 同校では、交通安全教育にも力を注いでおり、「ものづくり」の学校らしく、生徒が作った交差点に置く交通安全標識「とびだし君」(写真左)
を近くの小学校に配るなどの活動をしている。また、各クラスから選出した交通安全委員会を設置、市内の高校との意見交換や発表会も行っている。
交通安全委員会委員長の萩原貴大君(17)は「中学1年の時に車にはねられた怖さを思い出した。不注意以外にも事故が起きることもあるので、交通安全を呼びかけるだけではなく、きょうの体験を生かし、被害者の様子を具体的に話すなど交通事故の悲惨さを訴えていきたい」と話していた。