「かわさき生田領地植樹祭」(川崎市、神奈川県主催)が5月16日、川崎市多摩区枡形の生田緑地で行われ、午前8時から家族連れなど約1,000人がクヌギやコナラなどの若木約3,000本を植えた。続いて9時20分からオープニングセレモニーとタイアップセレモニーが行われ、阿部孝夫市長や松沢成文知事らが出席、そろって植樹をしたほか、市立橘高校吹奏楽部、川崎市名誉文化大使でソプラノ歌手の雨谷麻世、シンガーソングライターの白井貴子さんが演奏や歌を披露、音楽を通して緑の大切さを訴えた。会場には、市内で自然保護活動などを行っている市民団体などのテントが並び、日ごろの活動の成果などを展示、熱心に質問する人もいるなど、交流を深めていた。
写真=記念植樹として苗木に土をかける松沢知事(左から2人目)、阿部市長(3人目)
川崎市は2005年から「市民10万本植樹運動」を市民や事業者と協働で行ってきたが、「全国植樹祭かながわ2010」のサテライト開催を機に、この運動を拡大、2024年の市制100周年に向けて「市民100万本植樹」を行うことにした。この日の植樹祭は、そのスタートにあたる。
この日は、生田緑地ばら苑北側の急斜面に、多摩丘陵の雑木林を代表するクヌギ、コナラなどの高さ30cmほどの若木を植えた(写真左上・右上)。この苗木は、斜面の周辺で採集したドングリを東生田小学校の児童や市民が育ててきた。午前8時過ぎから訪れた人たちは、苗木を手に斜面を登り、用意された穴に植えて、ていねいに土をかけながら「早く、元気に育つといいね」などと話していた。
午前9時20分からは「オープニングセレモニー」、23日の全国植樹祭との「タイアップセレモニー」がばら苑南側に設けられた大テントで催された。橘高吹奏楽部の見事な演奏(写真左上)に続いて、雨谷さんが2011年度の小学5年生の音楽の教科書に採用される「僕にできること」、「アメージングソング」などを美しいソプラノで披露、参列者を喜ばせた(写真右中)。
続いて阿部市長が「これまで毎年1万本の植樹を市内で進めてきたが、市制100周年までに100万本をめざした取り組みを、この植樹祭からスタートさせる。多くの市民に協力してもらって緑いっぱいの川崎をつくっていきたい」とあいさつ、松沢知事は「子どものころ生田緑地ではよく遊んだが、改めてまとまった緑の大切さを感じた。神奈川県での全国植樹祭は初めてだが、実はその開催のきっかになった地。県内の森林は荒れてしまっているが、50年がかりで再生に向けて取り組んでいるので、ぜひ協力を」と呼びかけた。
続いてステージで阿部市長、松沢知事らが東生田小の児童から受け取った苗木にスコップで土を入れる“記念植樹”を行った。
「タイアップセレモニー」では、第6回「わがまち花と緑のコンクール」緑地部門表彰式が行われ、里山景観賞に選ばれた9団体、緑のパートナーシップ賞の5団体に阿部市長から表彰状が手渡された。
宮前区のボーイスカウト川崎54団の子どもたちが「わたしたちは地球にやさしい緑豊かな川崎をめざして100万本運動をスタートします」と「緑の宣言」を行い、続いて植樹祭のテーマキャラクターの「かなびんちゃん」に未来へのメッセージを詰めたタイムカプセルを手渡した(写真左中)。
最後に、白井さんが植樹祭かながわ大会のテーマソング「森へ行こう!」などを歌って、緑の大切さを訴えた(写真右下)。
会場では、市民団体による自然保護の取り組みなどの活動を紹介したテントが並び、訪れた人たちと交流を深めていた。
「花と緑のコンクール」の表彰者は次の通り。
里山景観賞=多摩緑地保全地区(こもれびの会)(多摩区)、津田山緑地里山の会(高津区)、飛森谷戸の自然を守る会(宮前区)、中原区市民健康の森(中原区)、早野聖地公園里山ボランティア(麻生区)、日向山うるわし会(多摩区)、まほろばの会(多摩区)
緑のパートナーシップ賞=麻生区市民健康の森(麻生多摩美の森の会)(麻生区)、海風の森をMAZUつくる会(川崎区)、木こりの会(麻生区)、高津区市民健康の森を育てる会(高津区)、水沢森人の会(宮前区)。