サッカーW杯南アフリカ大会代表に川崎フロンターレから初の4選手:日本代表に中村憲剛、稲本潤一、川島永嗣、北朝鮮代表に鄭大世


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6月に開幕するサッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に、川崎フロンターレから日本代表にGK川島永嗣、MF中村憲剛、MF稲本潤一、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)代表にFW鄭大世の4選手が選出された。同クラブは、クラブ史上初のW杯代表選出をサポーターとともに喜び合おうと5月10日、川崎市高津区溝口の川崎男女共同参画センター(すくらむ21)で公開型の記者会見を開催、中村選手らが選出の喜びや抱負を語った。

同センターホールの舞台で午後4時30分から開かれた会見には、武田信平社長と代表選出の4選手が出席、客席には平日にもかかわらずフロンターレユニフォームなどを着たサポーター約800人が詰めかけ、舞台に登場する一人ひとりの選手を太鼓とフロンターレコール、拍手、手作りの横断幕を掲げるなど熱い応援で迎えた。


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武田社長が「平日の午後、こんなにたくさん集まっていただきとても感謝している。
午後2時からの日本代表発表会見をクラブのテレビで見て、代表に3人が選ばれてクラブ内が盛り上がり、ひと安心した。憲剛、稲本のケガがちょっと心配だったが、選ばれてうれしい。W杯代表をフロンターレから出すのは初めてで、光栄です。国民の期待を受け、岡田監督の目指すベスト4を目指して力の限りがんばってほしい。たとえベスト4に入れなくても、感動させられるプレーや結果につながり、持てる力を100%出してファンの心を揺さぶるパフォーマンスを見せてほしい。サポーターの皆さんには、フロンターレの4人の代表と日本代表チームも励ましてほしい」とあいさつした。

その後、4人の選手が背番号順に選出の喜びなどを語った。
初選出の川島は「代表の23人のひとりに選ばれて光栄に思います。家族、スタッフなどの関係者、サポーターに感謝しています。初めてのW杯、悔いのないチャレンジをしたい」と大きな目を輝かせた。
北朝鮮代表の鄭大世は「知り合いからのメールで代表入りを知ったが、選出は驚かなかった」と強気な発言の後、「W杯では感謝の念を込めて、ツメ跡を残したい。死のグループと言われるが、グループリーグ2位を目指したい。北朝鮮の応援もよろしく」と話した。
アゴの骨折で選出が心配された中村は「光栄です。これからがスタートで、積み上げてきたものすべてをW杯で出せるようにしたい。2003年にフロンターレに入団して以来、W杯代表など考えていなかったが、川崎フロンターレ代表として、W杯で力を出してきたい。応援よろしく」とチームキャプテンらしく力強いあいさつ。
日本・韓国大会、ドイツ大会に継ぎ3度目の選出となった稲本は「車の中で聞いていて、年齢順に名前が呼ばれると思っていたのに自分が飛ばされてヤバイと思ったが、すぐ名前を聞いてほっとした」と会場を笑わせ、「初戦が大切。負けても、まだ2戦目があるという考えを持ち、グループリーグ突破をしたい」と経験者らしく落ち着いた口調で話した。

その後、4選手は記者の囲み取材などに応じた。


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■鄭大世=予選は「死のグループ」(G組=ブラジル、コートジボワール、ポルトガル)で、まっ黒黒というイメージだが、ひとつの光を信じ、アッといわせたい。ケガがない限り出場は出来ると思うが、スタメンでも途中出場でも国の誇りをもって、貢献したい。

サポーターの応援はうれしい。みんなの前に立つとモチベーションが上がる。代表にはJリーグから自分も含め3人(MF梁勇基・仙台、MF安英学・大宮)選ばれているので、北朝鮮も応援してほしい。


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■稲本潤一=アジアの最終予選の代表に選ばれなかったときはショックだった。まだ1年もあると思って気を取り直したが、オランダ遠征で代表に呼ばれ、望みが持てた。
移籍した川崎フロンターレで試合に出られて、試合感覚も戻り、川崎、日本のみんなの思いを肌で感じうことができ、日本に戻って良かった。前回のメンバーの方が個性が強かったが、まとまりは今回の方があると思う。ベスト4を目指し、心に残る試合をしたい。たとえ負けても、印象に残る試合をしたい。


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■中村憲剛=緊張はしていないつもりだったが、岡田監督が名前を読み出した時は緊張した。発表は年齢順なのに、イナ(稲本)がいないと思ってちょっとあせったがすぐに呼ばれて安心した。あごを骨折した時に、呼ばれないことも覚悟していたが、選ばれた以上は期待にこたえたい。
J2の時代、観客が3,000人〜4,000人のころから川崎フロンターレとともにステップアップしてきたので、フロンターレとしての自負があり、みんなの期待を感じる。4年前は代表に入ると思わず、家族とバカンスしていた。今回のケガは、自分には良い方に傾いた。3年間、過密日程ですり減っていたが、50日間、走れず、ボールに触れずの体験で、より強くサッカーが好きだと再確認できた。復帰後、徐々にコンディションが上がり、ようやくスタートラインに立てた気持ち。


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■川島永嗣=まず親に電話した。父が「涙が止まらない」と後でメールをくれた。きょうのドキドキ感で、アテネ五輪の(代表発表の)時を思い出した。

(GKの川口選手が選ばれたことはについては)経験もあるし、監督が選んだメンバーなので、目標に向かってみんなで戦いたい。
(守備陣は)いままでと変わった部分はないので、キャンプで連携を詰めていく。

きょうの会見はサポーターと一緒に写真をとるなどして、サポーターに支えられているのが身近に感じられ、チームとしてもうれしい。良い結果を残してサポーターにも喜んでもらいたい。