狛江市で絵手紙サミット: 絵手紙発祥の地と交流の輪をアピール

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絵手紙をまちづくりに取り入れている狛江市で8月23日、狛江市が絵手紙の発祥の地であることのアピールと絵手紙を通して親子のきずなを深めようと、昨年に続き親子絵手紙サミット(狛江市・絵手紙発祥の地—狛江実行委員会主催、日本絵手紙協会・日本郵便小平支店・すまいるポスト協力)が開かれ、親子絵手紙教室と絵手紙宣言文の採択を行った。

写真=(上から)絵手紙教室、郵便事業開始当時の制服で開会宣言、絵手紙の書き方を教える講師、作品の講評をする小池邦夫さん(左)、参加者と主催者の記念写真

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2回目のことしは、親子のきずなのほか「絵手紙の輪」をテーマに、市内の親子8組のほか、同市のふるさと友好都市・新潟県川口町、住民交流友好都市・山梨県小菅町から各1組親子を招き、10組26人が参加。会場の西河原公民館学習室には、絵手紙を通して交流する両自治体の様子や絵手紙発祥の地の取り組みの写真パネルが展示されてた。
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午前10時からのサミットではまず、2004年に絵手紙発祥のまちのきっかけを作った郵便事業(株)小平支店長の林健志さん(前狛江郵便局長)が、郵便事業が開始された1871(明治4)年当時の制服を身につけ「絵手紙の輪をひろげよう」と開会宣言、曽根嘉七実行委員長が「絵手紙を通してきょう1日楽しんでください」とあいさつ。その後、実行委員の小玉真砂子さんらが講師となり親子絵手紙教室が開かれた。
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参加した親子の大半は絵手紙を描くのは初めてだったが、慣れない墨と
顔彩を使って持参した季節の野菜や果物を描き、言葉を書き添えた。約1時間30分の教室では、素朴な味わいにひかれ、2枚目3枚目にチャレンジする親子もいた。
午後1時からは、狛江市、川口町、小菅町をプロジェクターを使って簡単に紹介。その後、午前中に描いた作品を親子ペアで映し出し、小池邦夫さんが1点1点の作品に対し輪郭線や色使い、言葉の使い方などそれぞれの良い点を、描いた人に話しかけるようにていねいに講評、参加者はうなづきながら熱心に聞いていた。
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終了前には、参加者を代表しての丹下杏結さん(狛江市)、小山久瑠実さん(川口町)、小林さくらさん(小菅村)が「絵手紙教室でお互いの地域のことを知り、普段愛子との出来ない人たちと心の交流ができることを分かりまし
た。絵手紙は地域を結ぶことを確信し、ここに宣言します」と宣言文を読み上げ、実行委員長に手渡した。
狛江市から1家4人で参加した小池香代子さんは「夏休みの子どもの自由課題のつもりで申し込みをしましたが、夫も中学以来の筆を持ちみんなで楽しめました。機会があれば、また描きたい」と笑顔で話していた。

  絵手紙発祥の地

同市には、絵手紙創設者で日本絵手紙協会会長の小池邦夫さんが30数年前から住んでいる。書家を目指していた小池さんは、1978年から1979年に雑誌の企画で肉筆の絵手紙を6万枚を書いたことがマスコミで話題となり、それを知った狛江郵便局が1981年7月23日に小池さんを講師に招き「文月・ふみの日」イベントとして全国初の絵手紙教室を開催。以来、各地で次々と絵手紙教室が開かれ、手描きならではのぬくもりを感じさせる新しいアートとして全国に絵手紙の愛好家が広がった。
同郵便局では2004年に狛江市とタイアップし、「絵手紙発祥23周年記念キャンペーン」を企画、全国から絵手紙を募集して市内で展示する「絵手紙マラソン絵手紙マラソン展覧会」などを実施した。
同市では「絵手紙発祥の地」をまちの活性化に生かそうと2007年12月に「絵手紙発祥の地—狛江実行委員会」(曽根嘉七実行委員長)を設置、絵手紙マップの発行や市内を走るコミュニティバス「こまバス」車内の広告スペースに市内や全国の愛好家から寄せられた絵手紙を展示するなどさまざまな取り組みを行っている。