Jリーグが3月7日に開幕、J1第1日程の7試合が行われた。川崎は、ホーム等々力陸上競技場で柏レイソルと対戦、先行されたゲームに追いつき、1対1の引き分けに持ち込んだ。快調なすべり出しとはならなかったが、77分の同点ゴール後には白星スタートへの強い気持ちのこもった猛攻を続け、11カ月ぶりに指揮を執る関塚隆監督と開幕戦を楽しみにしていたサポーターをほっとさせた。
写真=同点ゴール(77分)に喜ぶ川崎の鄭大世(撮影:山本真人)
試合は序盤、開幕戦特有の堅さやミスも見られ危ないシーンもあったが、徐々に落ち着きを取り戻した。しかし、川崎Fの司令塔・MF中村堅剛に柏のFW・李忠成がぴったりマークし、中盤のボール合いとなるが柏の堅守でシートが枠に入らず前半を0対0で折り返す。
後半開始まもなくの50分、カウンターから柏のFW菅沼実にゴールを決められ先制点を奪われた。川崎は攻撃のリズムがかみ合わずチャンスを作れなかったが、66分にMFヴィトールに代えDF横山知伸を投入して流れを変え、77分に相手DFにあたった中村のシュートのこぼれた球を今季9番となったFW鄭大世が右足で決め同点に。その後は、相手の攻撃をかわして相手ゴール前で猛攻(写真左)を続けたが、柏のGKの好セーブで追加点は奪えず、開幕戦を勝利で飾れなかった。
試合終了後、選手はピッチに手をつくほど消耗し、勝ち点3を取れず悔しそうな表情を見せていたが、健康を取り戻して復帰した関塚監督は、穏やかな表情でコーチ陣と握手。会見では「初戦ホームで、難しい立ち上がりだった。期待を込めて来てくださったサポーターに白星をプレゼントしたかったが、我々が目指す全員攻撃・全員守備についてはよくやったと思う」と話し「やはり等々力はいいなと思い、感無量でした」とにこやかに対応した。
川崎Fは、次のホーム試合は3月11日19時キックオフのACLグループリーグ第1戦で、中国の天津泰達と対戦する。リーグ戦の次のホーム試合は、4月4日(4節)15時キックオフの名古屋グランパス戦。
始球式には「髭男爵」が登場
開幕戦のこの日は、等々力競技場と周辺でさまざまなイベントが催され、恒例の始球式には川崎の町が登場するアニメ「天体戦士サンレッド」のヴァンプ将軍と戦闘員の声優で漫才コンビの「髭男爵」が登場。ハーフタイムには、阿部孝夫川崎市長が「優勝をめざし、
どんどん勝利を重ねていくために応援をよろしく」とあいさつ。
試合開始前の正午には競技場入り口前の公園広場に「川崎フロンパーク」が開園。フロンパークは、川崎が昨年から催されている「等々力うれしイ〜プロジェクト」の一環として、土日祝日に開催さ
れるJ1リーグ戦のホームゲームで設けられるイベント広場。初日のこの日は、午前11時45分に川崎の武田信平社長らが出席してセレモニーが催され、川崎市内に練習場を持つ春日山部屋「塩ちゃんこ」、市内在住のブラジル人らによるブラジルキッチンなどのほか、メロンパンやグッズ、とんとこ飴の実演販売などが行われた。
また、競技場内の食品販売コーナーでは、山田うどんなど三店が川崎市が勧めている「リユース食器推進議場」のモデル事業に協力、容器の変換が行われた。リユース食器は3月11日に同競技場で行われるACLの初戦にも実施される。