川崎市の麻生図書館で花粉症対策のミニコーナー :利用者向上めざし職員のアイデアで特集コーナー設置

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暖冬でスギ花粉などの飛来が早まるなか、川崎市立麻生図書館(鈴木隆館長)が小さな棚に花粉症対策に関する本20数冊を並べたミニコーナーを設置、人気を呼んでいる。

写真=麻生図書館に設置の花粉症対策のミニコーナー、年中行事の本を集めた児童書コーナー

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同館では、利用者サービスの向上として収蔵する本の利用を高め図書館に親しんでもらおうと、2007年4月から入口付近の新聞・雑誌が置かれた開架式の棚の一部に「特集コーナー」を設置、その時々のホットな話題や関心の高い問題をキーワードに関連する本を集めて並べている。これまで「クマのプーさん」翻訳や「ノンちゃん雲に乗る」などで知られる児童文学者の石井桃子生誕100年、闘病記を中心とした医療関連、介護、確定申告などのほか、昨年夏の北京五輪時には環境問題、昨年10月から裁判員制度の特集を企画し2月に説明会も開いて好評を集めた。特集コーナーには、選んだ本の書名、著者名、出版社、出版年、本をさがすための番号を記したブックリストと図書館の中にそれらの本が収蔵されている場所を掲載したチラシを作って備えている。花粉症に関する本を並べたミニ棚もこうしたサービスの一環で、1月末から設置しておりリストの半数以上の本が貸し出されている。
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同館ではまた、数年前から職員の高井陽さんが児童書のエリアの一角に年中行事などの本を並べ児童書のブックリストを作成、棚の上には高井さんの自作の厚紙で作った看板(写真右)を置き、子どもが楽しめるような工夫をこらしている。
利用率を高めるこうした試みに取り組む図書館は、全国的にもまだあまり多くはないが、特集コーナーを担当する同館職員の舟田彰さんは、コーナーに並べた本の利用状況の分析をきちんと行っていないと前置きした上で「話題性のあるキーワードで利用の少ない奥の棚の本に光をあて、目につく場所に並べてことでさまざまなジャンルの本に関心を持ってもらう機会が増えた。今後もおもしろい企画を考えるので、もっと多くの人に図書館を利用してほしい」と話している。